露呈した「安全第一」の欠如と杜撰な管理
沖縄県辺野古の海域で、修学旅行中の同志社国際高校の生徒を乗せたボートが転覆し、女子生徒(17)の尊い命が失われた事件は社会に大きな衝撃を与えました。学校側が開いた記者会見で事故の経緯が説明されましたが、そこで見えてきたものは、学校側の安全やリスクへの認識の低さです。
学校のような公的な組織での事業計画や運営において、常に「安全第一」の意識が共有されていないことは、甚大な危機を招きかねません。沖縄、辺野古の海に修学旅行で訪れた高校生が亡くなるという痛ましい事件は、一気に注目を集め、SNSやネットニュースのコメントは、同志社国際高校への批判で燃え上がりました。
そうした批判は、3月17日に開かれた学校側の記者会見を通じて、安全管理に関する学校としての対応が限りなく杜撰だったことも明らかとなり、的を射ていたことになるといえそうです。
会見で説明された学校側の対応には、事前段階から事故当日の判断、事後対応に至るまで、目を疑うような問題点が山積していました。それぞれの時間軸に分けてその問題点を整理します。
専門家不在が招いた「丸投げ」の悲劇
【事前段階における不備】
まず、修学旅行という公的な行事で、旅行会社などの信頼できるプロの専門業者を使わず、民間ボランティアのような存在を使った点が挙げられます。事故後に開かれたボートを運航していたヘリ基地反対協議会は、ボランティアで運航していたため、事業ではないこと、そして登録が義務付けられていた内航一般不定期航路事業届出もしていなかったことを、16日夜に開かれた会見で説明しました。
そもそも知床遊覧船事故などで強化された安全管理制度について、学校側は認識しておらず、実態は知己だった船長への「丸投げ」でした。
【事故当日の判断ミス】
事故当日、現場海域には波浪注意報が出ていました。近くにいた海保はメガホンで注意を促したにもかかわらず、学校側は「警報ではなかった」として、運行の判断を船長に一任しました。
さらに、教員はボートに乗船して引率しておらず、ボートのサイズなどが適正かどうかという判断までもが、すべて現場の船長任せになっていました。
【事後対応の混乱】
事故内容や経緯について情報が錯綜していても、記者会見までにある程度の開示情報整理ができていませんでした。特に安全対策の実態や、保険などの補償についての情報も未確認のまま会見に臨むなど、組織としての機能不全が露呈しました。記者会見では、ボートを操縦した牧師に責任を転嫁しているのではないかという質問もありましたが、会見を全て見て感じたのは、他責というより、高校側は「何も考えていなかった」ということです。

