「有事の金」は本当か
最近のニュースを見て「株価が下がっているけれど、今すぐ売ったほうがいいのかな?」「有事には金(ゴールド)がいいと聞くけれど、自分も買うべき?」と、漠然とした不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
世界情勢が緊迫し、「米国がイランに攻撃」といった見出しが躍ると、誰しも不安を感じるものです。実際に株価が下落したり、一方で「有事の金」と呼ばれる金の価格が大きく変動したりしているのを見ると、つい焦って行動を起こしたくなるかもしれません。
しかし、こうした波乱の時期こそ、一歩引いて「資産形成の本質」を見つめ直すことが大切です。長期的な視点で資産運用していくために、今、私たちが本当に保有すべきものは何なのか、わかりやすく解説します。
なぜ金の価格が上がっているのか
戦争や紛争などの地政学リスクが高まると、投資家は「より安全な場所」にお金を避難させようとします。その代表格が金です。金はそれ自体に価値がある「実物資産」であり、どこかの国が破綻しても価値がゼロにならないという安心感があるため、有事の際に買われやすくなります。
しかし、ここで知っておいてほしいのは、金は「付加価値」を生み出さない資産であるという点です。
言うまでもないことですが、例えば、金の塊を1kg持っていても、10年後、20年後にそれが自然に3kgに増えるといったことはありません。利子も配当も生み出さないのです。
金はモノですから、モノの値段が上昇するインフレ局面では、金の価格も上昇する傾向があります。そういう意味では、インフレ対策として一定程度は有効と言えます。
しかし、資産形成の主役とするには必ずしも十分ではなく、少し不安定な存在だと考えています。インフレ対策として金をポートフォリオに組み込んでいきたい場合は、その割合は多くても1割程度が目安だと考えています。
実際にこれから購入していきたいという場合は、高値づかみを避けるために、3年程度の時間をかけて時間分散して購入していくとよいでしょう。


