揺れているのは「価格」に過ぎない

株価の下落をどう捉えるべきか

一方で、ニュースを受けて株価が下がっているのを見ると、損をしてしまう恐怖を感じるかもしれません。しかし、株式会社の本質は「ビジネスを通じて世の中に新たな価値を提供し、利益を上げること」にあります。

株式会社は、商品やサービスを提供することで売上を伸ばし、その結果、利益を生み出します。売上の一部は原材料などに、そして社員へは給与を支払います。このようにして生み出される付加価値の合計がいわゆる「国内総生産(GDP)」であり、その一部が株主の取り分となります。

【図表】「株」の資産価値と資産価格
筆者作成

世界経済が成長し続ける限り、この「生み出される価値」は長期的には右肩上がりで増えていきます。過去の歴史を振り返ると、リーマンショックやコロナショックといった大きな暴落は何度もありました。ですが、全世界株式インデックスの1つ、MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)はこの38年間で約31倍(円ベース)にまで上昇し、利回りは約9.45%でした。

【図表】全世界株式インデックス38年の推移
出所:MSCI Inc. ACWI Gross JPY(1987年12月~2025年12月)を対象に分析。信託報酬などのコストは考慮していない。

一時的なショックによる下落は、あくまで「価格」が揺れているだけであり、企業の「価値を生み出す力」そのものが失われるわけではないのです。

今、保有すべき「最強の金融商品」とは

では、こうした不安定な時期に、私たちは具体的に何を保有すればよいのでしょうか。結論から申し上げれば、それは「低コストの全世界株式インデックスファンド」です。

理由は大きく3つあります。

①世界中にリスクを分散できる

特定の国や企業だけに投資していると、その国が紛争に巻き込まれた際に大きなダメージを受けます。しかし、全世界株式インデックスファンドは、アメリカ、ヨーロッパ、日本、そして新興国を含む約2500社にまるごと投資する「お弁当箱」のような商品です。どこか一部で問題が起きても、長期的には他の地域の成長がそれをカバーしてくれます。

②手間がかからない(ほったらかしでOK)

ニュースを見て「今は買いか、売りか」を判断するのはプロでも至難の業です。インデックスファンドなら、一度積立設定をすれば、あとはマーケットの状況を気にせず「ほったらかし」で構いません。インデックスの構成銘柄はインデックス算出会社が定期的に見直してくれるため、勝手に新陳代謝が進む形となります。

③インフレ(物価上昇)に強い

有事の影響でエネルギーや食品の価格が上がっても、企業はそれを製品価格に反映させて利益を守ろうとします。結果として株価も物価上昇についていくため、株式というアセットクラスに投資していれば、あなたの資産をモノやサービスに交換する「買う力(購買力)」は維持、向上していくことが期待できるのです。