自社にない顧客基盤をもつところと提携する

自社単独ではリーチできない顧客基盤を獲得する方法として、提携があります。

○代わりに売ってもらう

とある企業は、広告代理店から出資を受け、戦略的に営業代理店へ通常の手数料率よりも高い費用を払い、一気にシェアを獲得しました。

また、自社サービスを他社の商材ラインナップに組み込み、併売してもらう方法もあります(地方銀行が法人向け口座開設パッケージの中に、自社のクラウド会計ソフトを組み込み提供するなど)。

○共同でマーケティングする

代わりに売ってもらうのではなく、共同でマーケティングする形の提携もあります。

● 共催セミナー/イベント → 双方のリードを共有。顧客獲得効率が高い
● コンテンツ連携 → ホワイトペーパーやケーススタディを共同発行
● クロスマーケティング → 既存顧客への相互紹介やバンドル販売

代わりに売ってもらうモデルは、短期的に販路を広げやすい反面、代理店へのインセンティブ次第で代理店が十分に動かないリスクや、顧客接点/ノウハウといった資産が自社に残りにくいという課題があります。

一方、共同でマーケティングするモデルは、手間はかかる一方、マーケティング資産を相互に共有・共創することで、ブランド力や顧客基盤を育てることができる可能性があります。ただし、その成果が自社に積み上がるか、相手に積み上がるかは、提携の設計次第です。

曖昧な口約束を避け、責任範囲や品質基準、データの取り扱いを明文化しましょう。これにより、解釈のズレを防ぎ、トラブルの予防線となります。

トラフィックに便乗する

見込客が集まる場所に行って接点を作る「トラフィック便乗作戦」も有効です。

Airbnbは創業初期、短期滞在ニーズが集まるCraigslist(地域に根ざした掲示板サイト)の巨大トラフィックを活用するため、宿泊施設のオーナーが掲載情報を自社サイトに登録すると、その情報をCraigslistにもワンクリックで投稿できる仕組みを開発しました。

広告費に大きく依存せずに、Craigslistに掲載される宿泊物件情報を通じて自社サイトに宿泊したいユーザーを獲得でき、大きな成長につながりました。

とあるスタートアップは、創業初期に当時業界No.1企業の潜在顧客が抱えていた課題や悩みに答える記事を大量に作成しました。SEOで上位表示されることで、その記事から自社への購買に至る導線を作り、業界No.1のポジションを築くきっかけになりました。

多くのトラフィックが発生している業界No.1企業の顧客の課題や悩み、その顧客が何を検索して流入しているかを研究し、見込客を流入させる仕組みを作った好例といえるでしょう。

トラフィックのある場所はネットに限りません。有名大学の正門前で、アンケート回答者にモバイルバッテリーを配り、新卒求職者のリストを獲得したHR系企業の例もあります。

モバイル電源で携帯電話を充電
写真=iStock.com/shisheng ling
※写真はイメージです

トラフィックが集まる場所を探すには、以下のような方法があります。

● Similarwebなどを使い、競合の流入チャネルを分析する
● Googleキーワードプランナー、検索トレンド、SNSのハッシュタグを分析する+KWTOOLなどを使う
● FacebookグループやLINEオープンチャットなどのコミュニティを検索
● 業界イベント、資格試験会場、大学前など「属性が集中している場」を調べる