開成でも東大現役合格は3割
もちろんどんな職業も他者との関わりは必ず発生しますが、これらの士業は組織内での立ち回りよりも個人の腕が評価される傾向にあります。当然高度な知的能力が必要とされますから、希少性も高く、一度資格を取ってしまえば食いっぱぐれる可能性は低くなるでしょう。
「大変なお金と時間をかけて名門中学(高校)に入ったからには、よっぽどのことがない限り東京一工をはじめとする難関大学や医学部には合格できるだろう」という認識をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
それこそ中学受験界で神格化されている男子御三家(開成・麻布・武蔵)に入ろうものなら、生徒のほとんどが東大や医学部を狙えると考える方も多いと思います。しかし、実態はかなり意外なものになっています。
例えば、東大合格者数日本一の開成高校は一学年約400人ですが、大学への「現役進学者数」に限定して見てみると、2025年度入試では東大107人、京大7人、一橋大11人、東京科学大13人、国公立医学部32人となっていて、天下の開成であっても現役で東京一工・国公立医学部に進学するのは学年の3〜4割程度であることがわかります。これに浪人生を加えても半数程度です。
MARCHも厳しい「深海魚」
私立大学に目を向けると、早稲田大に18人、慶應義塾大に25人の進学者が出ていて、MARCHなどの他私大にも10人以上の進学者を送り出しています。つまり、天下の開成高校であっても半分以上は現役で東大や国公立医学部には届かず、120人程度の生徒は早慶MARCHや地方国立(旧帝大・医学科除く)に進学しているというのが現状です。
さらに、このクラスの学校であっても、中学受験後に勉強の手を止めてしまった、いわゆる「深海魚」と呼ばれる成績下位の生徒が一定数います。彼らに至っては、地方国立・MARCHクラスの大学も厳しいというのが現実です。
このように、首都圏で最高レベルの中学に受かっても、進学者の中央値は早慶の上位学部程度なのが実態で、早慶といえどもたやすく入学できるわけではなく、侮れないことがわかります。
そのため、最難関中高にあえて進まず、早慶の付属校などで最終学歴を「利確」してしまおうという勢力も一定数いるというわけです。偏差値・入試難度では御三家に劣るものの、最終的には確実に早稲田・慶應卒業の肩書を手にすることができ、さらに大学受験のリソースを部活や課外活動に振り分けることができる大学付属校が人気なのも頷けるでしょう。

