「行動方針ほぼ同じ」世界的トップ企業2つ
いまではこの標語はあたかもパワハラの象徴のようにとらえられています。しかしこれと同じような経営方針で成功している企業が世界には存在します。
その典型例はマグニフィセントセブンです。
グーグル、マイクロソフト、アップル、アマゾン、テスラ、メタ、エヌビディアの7社を総称する呼び名がこのマグニフィセントセブンですが、そこで働く企業幹部の行動指針はというと、実はニデックの三大精神とほぼ同じです。
特にテスラとアマゾンはニデックそっくりと言ってもいい企業文化を持っています。
マグニフィセントセブンと旧日本電産にはもうひとつ共通点があります。それは「道」がまだ見つかってはいないけれども、開けてはいるという点です。
どうすればそこに行けるのかがわからなくても市場が成長することだけは確信できるという状況の下では「できるまでやる」社員がいる会社とそうでない会社では成功確率に大きな差がうまれます。
マグニフィセントセブンがAIという「未知の世界」での「道」を拡げてきたことと比較すれば、旧日本電産が既知の「高収益化手法」をあらたに買収した企業に移植するという「ある程度、方法論の見える道」をたどればよかったという点で、旧日本電産のほうが「できるまでやる」ことの成功確率は高かったでしょう。
では、何が問題だったのか
ただしマグニフィセントセブンとニデックにはひとつ大きな違いがあります。マグニフィセントセブンの経営幹部がなぜ「できるまでやる」のかというと、そのように働くことで得られる報酬が莫大だからです。
俯瞰して違いを比べるとマグニフィセントセブンは100億円の報酬で未知の道を開拓させ、ニデックは1000万円の報酬で既知の道を幹部社員に行進させてきたという違いがあるのです。
視点3:滅びの種がまかれていた
さて、
「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」
の三大精神に立ち戻ると、平成の時代だったからこそこの標語に非常にパワフルな力があったことに気づかされます。
当時の時代環境として就職氷河期があり、デフレ環境があり、失われた十年が二十年になり、従業員にとってはとにかくとんでもなく不安な時代でした。
この時代の大企業の正社員に共通した感情が何だったかというと、
「ここを離れたら他には逃げ場はない」
というものでした。
逃げ場がないからこそ永守流のハイプレッシャー経営手法が成立したのです。

