「若さを求める」という人の本能

生存競争の視点からヒトを考える進化心理学では、配偶者として選択されるのは若い女性で、健康な遺伝子を子孫に伝えることが選択のポイントだと考えます。女性が自由に行動する現代社会では、バランスの良い食生活を示す美肌に健康さを示す魅力があることがわかりました。

山口真美『美人はそれほど得しない? ルッキズムの科学』(ハヤカワ新書)
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つまり、過激な進化心理学によれば、魅力は健康さに宿り、それを示す肌の美しさには年齢の効果も大きいので、結果的に若い相手を選ぶことにもつながると考えます。

美肌を演出するテクニックは飛鳥時代から存在します。白粉に赤い口紅を描くテクニックによって、美肌と唇の赤さによって表現される健康さ、さらには色の対比という錯視から肌に透明感を演出することもできます。

日本の化粧品開発は、皺とシミという、肌の老化にかかわる二大問題の解決をめざしています。肌の上で光を反射させることによって、透明感を演出して見せるファンデーションもあります。消費者が欲しいと思う肌を表現する言葉も多様で、肌の張りを示す「ジューシー肌」や、赤ちゃんのような「ふっくら肌」など、望ましい肌の質感の演出に技術は進化しています。

しかし、このようにだんだんと要望が過熱し始めると、年齢差別が気になってきます。先に説明したように重要なことは、若さを求める個々の人々の欲望は、本能で止められないことを把握しておくことです。若さの魅力を求める本性を知ったうえで、加速させすぎない、年齢差別とのバランスを気にかけることが必要です。

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