肌を劣化させる最大の要因
インターネットやワイドショーなどで、ハリウッドスターたちの整形疑惑が時々持ち上がります。有名なスターが、ドラッグの乱用などの不健康な生活を過ごしているうちに、あっという間に過去とは比べ物にならない容姿となっているのに驚かされることもあります。
進化心理学者のデイビッド・ペレットたちは、健康な生活を送っている人と喫煙者との間で、肌の劣化の具合を画像合成で比較しました。同じ生活を20年間続けたあとの顔を見比べると、喫煙者の肌の劣化の激しさと皺の多さには、目を見張るものがあります。
タバコなどの化学物質はビタミンCを破壊し、肌の弾力を作るコラーゲンの生成を妨げます。美容にとって一番大切とされる、肌の張りと弾力性を失ってしまうことにつながり、肌の劣化の最大の原因となるのです。
肌を美しく見せることは化粧においてもとても重要で、日本人の化粧の基本といえば、ファンデーションで肌を作り上げることから始まります。しかし、欧米の化粧では、肌を美しく見せるファンデーションはそれほど使われないと聞きます。欧米では、ファンデーションよりも目や口のポイント化粧を重視します。
日本の「美白信仰」の背景
欧米と比べ日本では、美肌と美白信仰が強いというわけですが、その信仰の背後にあるものはなんでしょうか。
美肌の完璧な姿は、赤ちゃんのツヤすべ肌でしょう。肌は加齢によって、皺やシミができますが、特に紫外線は肌への最大のストレスで、そのストレスは蓄積され、年を経てからじわじわとシミになってきます。化粧品会社の宣伝にもあるように、紫外線は時限爆弾のように肌に働くのです。
そうであれば、美肌を保つということは、加齢を隠すことと同義といえるでしょう。年齢差別が厳しく指摘される現代社会で、美白と美肌を保つことにあくせくするのは矛盾しているようにも思えます。
年齢差別にも関わる問題に触れるので、伝統的な進化心理学の考えをあらためて記しておきましょう。進化心理学の考えは、あくまでも仮説です。しかも次に説明するような実証しようがない仮説で、まったく正しいというわけではありません。それでは無駄な話と思われるかもしれませんが、進化心理学の真意は、人が持つ生物としての本性を把握し、野放しにしないことにあります。それを踏まえたうえで、説明していきましょう。

