格差社会の「公平」を取り戻す一歩に?

小林義崇『相続税調査でわかった 富裕層が大事にしている「お金の基本」』(講談社+α新書)
小林義崇『相続税調査でわかった 富裕層が大事にしている「お金の基本」』(講談社+α新書)

ミニマム税の引き上げは、いわゆる「1億円の壁」問題への本格的な対応策と位置づけられます。年収1億円を境に所得税の実効税率が下がるという不公平は、長年にわたって指摘されてきました。今回の30%への引き上げは、その是正に向けた動きといえます。

もっとも、30%でもまだ給与所得者の最高税率(住民税込みで約55%)には遠く及びません。「まだ甘い」という意見があるのも事実でしょう。

しかし、あまりに高い税率を課せば、富裕層は本気で「日本脱出」を実行し、税収そのものが失われるというジレンマもあります。

国税当局としては、出国税やCRSで逃げ道をふさぎつつ、富裕層が「税金の負担が重くなっても日本に残るほうがマシ」と判断するギリギリの水準を探っているのかもしれません。

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