認知症は「病名」ではなく、脳の不自由な「状態」

もうひとつ誤解されやすいのが、「認知症」という言葉の定義です。

実は、認知症は特定の病名ではありません。何らかの脳の病気によって、日常生活に支障が出ている「状態」をまとめて認知症と呼んでいるのです。

原因となる病気は100種類以上あるといわれており、代表的なアルツハイマー型認知症のほか、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などさまざまです。そのため、症状や進行の仕方も人それぞれで、「認知症だから必ずこうなる」と一律に決めつけることはできません。

認知症は正しく知れば怖くない

認知症は、決して一部の人だけの特別な病気ではありません。

安藤なつ(メイプル超合金)、繁田雅弘『知っトク認知症 家族と本人が自分らしく暮らし続ける超入門』(KADOKAWA)
安藤なつ(メイプル超合金)、繁田雅弘『知っトク認知症 家族と本人が自分らしく暮らし続ける超入門』(KADOKAWA)

実際、現代の日本では、2040年に認知症の人が約584万人に達すると見込まれています。MCI(軽度認知障害)を含めれば、高齢者の「3人に1人」が該当するという推計もあり、誰にとっても身近な課題です。

だからこそ、正しく知っておくことが安心への第一歩になります。理解が深まれば不必要に恐れることもなくなり、家族としての接し方も見えてきます。

まずは、「もの忘れ=認知症」と単純に考えないこと。そして初期サインは、記憶よりも日常生活の「段取り」に現れやすいと知っておくこと。それが、家族と本人が自分らしく暮らし続けるための最初の大切なヒントになります。

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