JR九州もクレカタッチを本格導入

クレカタッチ乗車の処理速度は交通系ICに比べて遅く、その点は交通系ICに軍配が上がる。しかし、JR東日本の発表によれば、今後はSuicaの運賃計算を現在の改札機ではなくセンターサーバー方式に変更するため、今より時間を要するようになるかもしれない。

2026年度にJR東日本の首都圏・仙台・新潟エリアの自動改札機リプレイスによって移行していく予定だ。ICチップにデータを蓄積できる利点を活かして、自動改札機で高速処理するという優位性が揺らぐ可能性は否定できない。すでにクレカタッチ乗車を利用した方なら、立ち止まるほど遅いわけでもないことは体験されたはずだ。

クレカタッチ乗車
クレカタッチ乗車(プレスリリースより)

JRがクレカタッチ乗車を進めると一気に有利になるのだが、交通系ICの覇権争いのためか積極的ではない。しかしJR九州は、2026年4月よりクレカタッチ乗車を本格始動させ、年内には主要92駅で利用可能になると発表した。

もしかしたらSuicaのJR東日本やICOCAのJR西日本の方針とは異なり、JR九州はSUGOCAの域内覇権にメリットを見出していないのかもしれない。

QRコードきっぷはクレカ陣営に有利

関東・近畿・沖縄などでは、従来の交通系ICに加え、クレカタッチ用とQRコードが使える自動改札機が増えてきた。

那覇都市モノレール「ゆいレール」では、切符を物理的に自動改札機に挿入せず、以前から切符に印字されたQRコードを自動改札機に読み取らせてきた。ゆいレールの自動改札機は、交通系ICとQRコードを1カ所で処理できるスグレモノだ。

QRコードを活用した交通機関の利用は、例えば周遊きっぷ、1日乗り放題きっぷなど、企画乗車券との相性が良く、観光地の入園料を含めた企画きっぷに最適だ。

それら企画切符は「デジタル乗車券」と呼ばれ、近畿エリアの交通事業者の広域連携である「KANSAI MaaS」でも、事前にクレジットカードを登録してデジタルチケットを購入する。

大阪メトロでは、すでに顔認証による「ウォークスルー」改札が利用されている。この顔認証のウォークスルー改札は、デジタル乗車券のQRコードの代わりとして利用されて、クレジットカードの優位性は揺るがない。

QRコードと言えば「○○Pay」のイメージかもしれないが、結局はそのチャージもクレジットカードからの利用者が多く、QRコードの支払い手段はクレジットカード陣営に包括されるのだ。

左:那覇・ゆいレール、右:大阪メトロの顔認証改札
筆者撮影
左:那覇・ゆいレール、右:大阪メトロの顔認証改札