マナーとしては「控えめなおじぎ」が正解

なぜかというと、神社は、神様が、この国にいる間の「別荘」のようなもので、「人間の家」をイメージして作られています。

そのため、玄関となる鳥居から、いきなり深々としたおじぎをすると、「玄関から、全力で土下座」するのと、同じ意味となってしまうのです。

もちろん、ルールでも規則でもないので、「気持ちを表す」ための「深いおじぎ」が、禁止されているわけではありません。

ただ、これから、神様の家の中心である「本殿」に向かうのに、その前から「全力のおじぎ」では、神様も驚いてしまうかもしれません。マナーとして、「美しい控えめなおじぎ」である小揖をするようにしてください。

心身を清める「手水」の儀式

鳥居をくぐると、お水がためられ、柄杓などが置かれている施設があります。

こちらは「ちょうずや」とか「てみずや」と呼ばれるもので、ここでは、神社という聖域に入るための「儀式」を行います。

神社が、その場所にあるのは、その地にやってきた「最初の人間たち」が、そこを拠点として開発を行った場所だから、というのが一つの理由です。それは「人間が生きるために必要な、飲める水が湧いている」という条件に合致しています。

その点からも、神社にとって「きれいな水」は、とても重要な意味を持っています。

これから、神社の奥に進むにあたって、その水を使って、手と口を洗うのが、この「手水」という儀式です。

手水を行っている手元
写真=iStock.com/georgeclerk
※写真はイメージです

現代の作法としては、「柄杓」を利用したものが推奨されています。

まず、右手で柄杓を取り、水を汲み、左手に流し、右手に流し、左手に水を受けて口に少しだけ含んで、口をすすぐ感覚で水を口の中で揺らします。その水は、口元を隠して手水舎の外に静かに出してから、左手にもう一度、水を流します。

柄杓の大きさにもよりますが、だいだいこれで汲んだ水を使い切りますから、水を汲みなおして、柄杓全体をきれいにし、柄杓を元の場所に戻してから、ハンカチで口と手に残った水を拭き取ります。