100歳でも認知症を発症しない方法

記憶の回路を使わなくなっていくと、記憶力は年齢と共に下降線を描きます。認知症のラインを割らないようにするためには、上に伸びるようにすればいいわけです。そうすれば、100歳でも認知症は発症しません。

そのためには、高い認知力と運動能力を長く維持して、できる限りMCI(軽度認知障害)ラインから遠ざかった脳コンディショニングを継続することが、認知症の予防策の一番大事な点です。

ですから、小さいときに神童である必要はありません。「20歳すぎればただの人」ではありませんが、「昔神童、今認知症」が現実です。20歳以降の脳の成長のさせ方、50歳以降の伸び方のほうが大切なのです。

50歳から伸びる脳にするには、どのような設計図を描いたらいいのでしょうか。そのカギを握るのが、小学校教育です。教育歴が長いほうが、認知力は上がり、認知症も約5%予防できるといわれています。

欧米などで、教育を受けた100歳の人と、受けていない人の100歳時点での脳の働きを比べてみると、後者の認知症の発症率のほうが高かったそうです。

「極端に左脳化した脳」を避ける

左脳化しすぎている人が増えているとはいえ、言語能力を習得してさまざまな教育を受けた人は認知能力が高く、脳の機能が落ちにくいといわれています。

ですから、先進国、特に日本のように教育を受けている人がもともと多い国では、教育を受けた人が認知症にならないようにするにはどうしたらいいかが課題、というわけです。そのためには、「極端に左脳化した脳」にならないことです。

使われない脳番地が多ければ多いほど脳は劣化しますから、運動不足の人が多い現代人は、運動能力に注目する必要もあるでしょう。

公園でジョギングするスポーツウェアを着た夫婦
写真=iStock.com/paylessimages
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昔は勉強ができていれば運動はしなくてもいい、という風潮がありました。逆にスポーツがよくできる人は、勉強はしなくてもいいという見方もあります。

私から見れば、それはどちらもアウトです。いずれも偏った脳の使い方になりますし、適度な運動をしないと脳が長もちしないということが明らかになっています。