脳のピークは「20代から30歳代前半」は大間違い

一般的に、それまで脳は年齢と共に劣化して、20代から30歳代前半くらいがピークだと思われてきました。しかし、35歳以降も脳が成長し、伸びていく人がいることがわかったのです。

ほとんどの動物は生命のピークをすぎるとほどなく死んでいきますが、人間は違います。人生のピークといわれる30代、40代をすぎても生きている。

ピークをすぎて脳も劣化していくのであれば、「余生」がなぜそんなに長いのか。80歳まで生きるというのであれば、逆に考えれば80歳まで脳は成長し続けるということにはならないか。

突き詰めて考え、疑問に思った私が研究してみると、ピークといわれる30代から脳が右肩上がりで成長している人がたくさんいることがわかりました。多くの人たちが「脳は劣化していく」と思っていますが、成長し続ける脳も確かに存在するのです。

人間の脳はさまざまな脳番地にわかれていますが、その各脳番地が年齢と共に劣化していくわけではありません。使っていないところが劣化していくだけで、使っているところは成長し続けるのです。

認知症を予防するいい方法

日本で認知症を患う人は2040年に584万人を超えるだろう、と厚生労働省が推計しました。これは65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症になる計算です。

しかし私は、前述したようにAI化やスマホなどで脳の劣化が加速するため、もっと多くなるのではないかと危惧しています。

スマートフォンを持ってラップトップコンピューターで作業する人
写真=iStock.com/Nanci Santos
※写真はイメージです

認知症を予防するためのいい方法があります。それは、「元気に100歳以上生きる」ことをめざすことです。

認知能力は3歳頃からグッと高まっていきます。そして20歳くらいで能力が完成し、いい大学に入ることでピークに到達した人が偉い、と勘違いしている人がほとんどでした。

そのあとは徐々に脳は老化していき、そのまま40歳から50歳になって脳の機能は放物線を描くように下降し、認知症になるのが70歳から80歳だろう、とみんなが思っていました。

ところが脳画像を分析すると、40歳から50歳の領域で、「脳の働きが上に伸びる曲線を描く人」と「下降する曲線を描く人」がいて、大きな個人差があることがわかったのです。