阿離我妬、陀異守鬼、摩武駄致、頼美魔洲…
会場には、
「先入観や世間のイメージという『色』は、入り口で外してしまいましょう。目の前にあるそノを、ありのままに見て、感じて、笑ってください。そうすれば見えてくるはず。とびっきり純粋で、こだわりが強くて、どこかめない可愛らしさが」
というヤンキー愛のこもったメッセージも掲げられていました。
ヤンキーの暴力や犯罪行為は肯定できませんが、当時は怖かった不良やヤンキーの文化を、こうしてツッコミを入れたり、笑ったり、懐かしみながら鑑賞できるのは感慨深いです。それでも会場に元ヤンっぽいお客さんがいると、目を合わさないように、あまり失礼な言動はしないようにと気を遣ってしまいますが……。
制服のアレンジや特攻服のポエム、インテリアなど、ヤンキーのクリエイティビティには改めて驚かされました。中でも「愛羅武勇」「仏恥義理」などの当て字のセンスに痺れました。ちなみにこのイベントで一番売れたグッズはこうした当て字入りのステッカーやライターでした。
「ヤンキー漢字ドリル」コーナーもありましたが、「摩武駄致(まぶだち)」「阿離我妬(ありがとう)」「鬼魔愚零(きまぐれ)」「陀異守鬼(だいすき)」「頼美魔洲(たのみます)」「愚怒(グッド)」「巣魅魔戦(すみません)」「巣愚威苦(すぐいく)」など、ChatGPTでも生成できなさそうなボキャブラリーの数々に圧倒されました。
何より、これだけの漢字を書けるというのもすごいです。スマホ変換が当たり前の現代人はおそらく書けない難しい漢字だらけです。生命力、個性、本気度、強さ、情熱、さらに漢字能力など、今の人が失いつつあるものを持っているヤンキーへのリスペクトが高まります。
今回のような展示やドラマの効果で、ヤンキーに憧れる人が増え、ヤンキーはいつまでも滅ばないで一定数を保っていくのでしょう。文化の継承としても重要なイベントです。不良体験がない人にとっては、一歩引いてエンタメとして楽しめるヤンキーコンテンツ。でも今も実際道で遭遇したら、小走りになってしまいそうです……。


