寒さに弱い部屋の位置3つ

ここまで見てきたように、RCマンションの寒さ対策で最優先すべきなのは窓です。

これは、階数や方角、間取りなど、住戸の条件にかかわらず共通しています。

ただし、すべての住戸が同じように寒さを感じるわけではありません。

マンションの住戸を選ぶ際には、住戸の位置も実はとても重要です。具体的には、1階、最上階、角住戸は要注意です。

家具のない新築アパートのリビングスペース
写真=iStock.com/maruco
※写真はイメージです

それぞれの弱点を見ていきましょう。

【1階】

1階の住戸は、床の下が地面やピロティ、駐車場になっているケースが多くあります。そのため、床の表面温度が下がりやすく、足元の冷えを感じやすくなります。

この場合でも、寒さの主因は窓であることが多いのですが、窓に加えて床の影響が無視できなくなるのが1階住戸の特徴です。

【最上階】

最上階では、天井の上が屋外や屋根に近い環境になります。

その結果、暖かい空気が上方向に逃げやすくなり、天井付近の寒さを感じることがあります。

また、反対に、夏は日射で天井面が熱くなり、天井面からの輻射熱で室内が室温以上に熱く感じられることがあります。

【角住戸】

また妻側の住戸(角住戸)も人気がありますが、断熱の観点では要注意です。

外気に接する面が増える分、窓の数や窓面積が大きくなりやすいからです。

つまり、妻側住戸の寒さは「壁が多いから」に加えて、窓が増えることで、熱の逃げ道が増えていることが主な理由になります。

電気代が跳ね上がる特徴4つ
記事をもとに編集部がgeminiで作成

暖かくて安い“ねらい目”の位置

妻側の住戸や最上階の住戸は、人気があるため、価格も高くなります。

一方、上下・左右に住戸がある中住戸は、比較的リーズナブルになっています。

その上、外気に直接さらされている外壁は、玄関側とバルコニー側の2面だけなので、妻側や最上階の住戸に比べて、実はとても快適で、冷暖房光熱費も安く済みます。

中住戸は、人気があまりありませんが、実はねらい目なのです。

中住戸
筆者作成

家選びも、リノベーションも、キッチンや浴室、内装デザインに目が向きがちです。もちろん、暮らしやすさや満足度の面では重要な要素です。

しかし、住んでからの快適性や光熱費を大きく左右するのは、見た目よりも断熱性能です。

とくにマンションの場合、構造そのものを変えることはできません。

壁や床、天井の断熱性能を大きく変えるには、大規模な断熱リノベ工事が必要になります。

だからこそ、こうした要素は慎重に選ぶ必要があります。

一方、窓は比較的リーズナブルに対策が取りやすい部位です。

窓の断熱性能を高めるだけでも、変化が、すぐに体感できます。

窓リノベで手に入る3つの効果
・寒さの感じ方が変わる
・暖房の効きがよくなる
・冷暖房光熱費の増加を抑えやすくなる

リノベをするなら今年中がいい理由

「家が買えない時代」において、中古マンション購入と窓の断熱リノベは、現実的で賢い選択肢です。

後悔しない家選びに重要なのは、変えられない部分と、変えられる部分を知っておくこと。そして、手が入れやすく、リノベ効果の高い「窓」に関しては、購入時にその可能性についてきちんと確認しておくことです。

そして、アルミ単板ガラス、もしくはアルミペアガラスのサッシの場合には、できることなら、入居前にリノベを済ませておくと新生活への移行がスムーズです。

少し高いなと感じるかもしれませんが、マンション価格の高騰を鑑みれば、中古マンションの購入費用に比べて、窓の断熱リノベの費用は知れています。冒頭にお話しした、日本のRCマンションの基準を考えれば、元から窓の性能にこだわってマンションを選ぶよりも効率的と言えるでしょう。

健康・快適な暮らしのために、この費用はケチるべきではありません。

『結露ゼロの家に住む! 健康・快適・省エネ そしてお財布にもやさしい高性能住宅を叶える本』(セルバ出版)
『結露ゼロの家に住む! 健康・快適・省エネ そしてお財布にもやさしい高性能住宅を叶える本』(セルバ出版)

ちなみに、窓に関しては補助金が使えるというメリットもあります。

国は、「先進的窓リノベ事業」というかなり手厚い補助金事業を実施しています。条件にもよりますが、概ね5割程度の補助が得られる制度です。

内窓設置でかかる費用は、戸建かマンションか、また窓の数等により費用は変わりますが、75㎡程度のマンションの中住戸の場合は、1戸あたり50万円以下で収まります。

先進的窓リノベ事業を活用すれば、自己負担はだいたいこの半額の25万円程度です。

ただし、こうした大型補助は、永遠に続くわけではありません。

「先進的窓リノベ事業」は、当初今年度までの3カ年の事業の予定でしたが、2026年度も延長されることになりました。

今年度で、終了の可能性が高いため、中古マンションを購入した方だけでなく、現在の戸建住宅やマンションの寒さに悩んでいる方にも、ぜひ活用いただきたいと思います。

計画的に窓の断熱リノベを行い、快適な新生活を送っていただきたいと思います。

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