マンション選びに正解はあるか。「住まいるサポート」の高橋彰社長は「立地や、築年数、水回りなどの室内設備はもちろん重要だ。しかし、快適に住み続けるために忘れてはいけない条件がある。軽視すると、ランニングコストが上がり、健康を損なう可能性もある」という――。
中古マンションが「贅沢品」になってしまった
ここ数年、「家が高くて買えない」という声をよく耳にするようになりました。
新築マンションの価格は上昇を続け、立地の良い物件ほど手が届きにくくなっています。
そんな中、東京23区の中古マンションも、
「平均売り出し価格が、前年比34.6%上昇し、70平方メートルあたり1億393万円に達した」
こうした報道が先月の日経新聞で伝えられました。
これは、2025年の東京23区における中古マンションの売り出し価格の平均値であり、データを遡れる1997年以降で初めて1億円の大台を超えたというものです。
かつては「手の届く選択肢」だった中古マンションも、いつの間にか、多くの人には手の届かないぜいたく品になっていることを実感させる金額です。
だからこそ、そのような「贅沢品」であるマンションを購入する際には、立地や価格だけでなく、購入後に快適に暮らせるかどうかをしっかり見極める視点が重要になっています。
とくに、室内の快適性や光熱費に直結する“断熱性能”は、購入後に後悔しやすいポイントです。
筆者は高性能な住まいづくりをサポートする会社を経営しています。
本稿では、その専門家の観点から、マンションを購入する前に抑えておくべきポイントをわかりやすく解説します。
「中古+リノベ」の落とし穴
中古マンションは、新築に比べて価格を抑えやすく、立地条件の選択肢も広がります。
そのため、住宅購入のハードルが上がるなかで、中古物件に目を向ける人は確実に増えています。
ただし、中古マンションには一つ大きな課題があります。
それが、断熱性能です。
築年数が古いマンションほど、
・アルミサッシの単板ガラス
・不必要に大きすぎる窓
・断熱をあまり重視していない設計
といった仕様が多く、住み始めてから寒さ・暑さや冷暖房光熱費に悩まされることになります。

