トランプは日本をどう見ているのか

【イエーツ】第2次世界大戦によって判断される時代は終わりました。歴史を消し去るわけでも、忘れるわけでもありませんが、アメリカは常に友邦や同盟国との関係において、「第2のチャンス」を与える国であるべきです。特に私たちの共通の繁栄、共通の安全保障、共通の価値観に多大な貢献をしている国に対してはなおさらです。

スティーブ・イエーツ氏
スティーブ・イエーツ氏(出所=ヘリテージ財団)

私にとって、日米同盟は米国が世界に持つ同盟関係のなかで最も重要なものの一つですが、このニュー・ノーマルに適応させていく必要がある同盟です。トランプ大統領が私の見解をすべて共有しているとは確約できませんが、トランプ大統領が安倍晋三の人物像とリーダーシップに深く感銘を受けていたことは事実です。

そして、私たちの多くが明確に感じたのが、安倍元首相が皇室に対する深い尊敬の念を持っていたことと、彼が掲げたビジョンです。彼は貿易における公平性を主張し、厳しい言葉を使うこともありますが、そのなかには、私が先に述べたような日本の再興を望む人物からの「厳しい愛」が込められていると思います。

彼のチームは、異なる方法で、そのニュー・ノーマルをできるだけ早く実現するために努力していると思いますが、最終的には、その決定は日本の国民に委ねられています。

なぜ中国共産党の自滅を待てなかったのか

【渡瀬】米台関係についてはどうですか?

【イエーツ】米台関係は多層的な課題です。私は、アメリカ合衆国と多くの同盟国が冷戦期、特に1960年代後半から1970年代初頭にかけて下した結論において、重大な誤りを犯したと考えています。

当時、中国は「大躍進」を通じて経済を破壊してしまい、その後の「文化大革命」では社会と政治体制を破壊しました。当時、中国共産党は世界の大多数が中国と認識していた地域を支配していましたが、その最も脆弱な時期でした。私たちは、その無法で無責任な政権が「天命」を失うに任せ、代わりに別の改革連合と協力すべきでした。

しかし、ベトナムからの撤退を迫られる絶望感、冷戦期にソ連の脅威に対する相対的な弱さを意識した絶望感から、妥協が成立し、アメリカ、日本を含む諸国は、過剰に配慮したかたちでの「一つの中国」政策を採用し、道徳的に問題があり、衰亡しつつある共産党政権に新たな生命を吹き込むこととなったのです。

当時、台湾の独裁者であった蔣介石もまた、台湾が外交的承認から排除され、国際システムから追放されることとなった責任の一翼を担っていたと思います。北京政府が「中国」として知られていた地域を統治しており、台湾政府が本土を奪還する可能性は極めて低いことが明白だったにもかかわらず、蔣介石は二つの中国という解決策を受け入れようとしませんでした。ですから私は、最も責任を負うべきは蔣介石だと考えています。