なぜトランプはイランを攻撃したのか。トランプ米政権に直結する政策研究機関「アメリカ・ファースト政策研究所」のフレッド・フライツさんは「イランが交渉を遅らせ、誠意ある交渉を拒んだから」という。『トランプ・高市同盟で日米は繁栄する』(PHP新書)より、国際政治アナリストの渡瀬裕哉さんとの対談を紹介する——。(第3回)
ホワイトハウスでの会合に参加するトランプ大統領
ホワイトハウスでの会合に参加するトランプ大統領(画像=The White House/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons

トランプとバイデンの決定的な違い

【渡瀬】ロシアとプーチン大統領について、どう思いますか?

【フライツ】「プーチンは独裁者で戦争犯罪者だ」と一般のアメリカ人はいえますが、大統領はそんなことはいえません。冷戦時代と同様に、アメリカ大統領はロシアの指導者との実務的な関係を維持しなければなりません。

トランプ大統領は、この個人的な関係がウクライナ戦争終結に役立つと考え、プーチンとの良好な実務関係を築こうと試みてきたのです。

トランプは、プーチンをただ非難するだけで対話への意思を示さないことを有益だとは決して思っていないのです。対照的に、バイデン大統領はウクライナ戦争についてプーチンと話し合うことにまったく関心を示しませんでした。バイデンはしばしばプーチンを戦争犯罪者と呼び、ハマスに例えたこともあります。

トランプのプーチンへのアプローチの究極的な目的は、ウクライナ戦争を超えて、5年後、10年後、20年後のロシアに対するアメリカの政策をどうするかを考えることにある、と私は考えます。その政策でロシアを欧州に組み入れ、良き一員として位置づけるよう導くことが望ましい。

ロシアのアジア化が危険なワケ

ロシアはアジアの大国ではありません。ロシアは欧州の大国です。ロシアがアジアに広大な領土を持っていることは承知していますが、歴史的に見て、大多数のロシア人は自らをヨーロッパの一員と認識してきました。そのほうが世界的な安全保障にとってよりよい関係となるでしょう。

なぜなら、ロシアと中国の新たな軸は、世界的な安全保障に対して信じがたいほど危険な脅威をもたらすからです。

したがって、トランプの政策は単にウクライナでの戦争を終結させるだけでなく、ロシアと中国の軸を終わらせ、ロシアを再びヨーロッパと西側諸国に、良好な関係にある国家として復帰させることにあると私は考えています。