「家でごろ寝」も過ぎれば疲れる
疲れを取る一番の方法は「寝る」ことですが、長く寝ればいい、というものでもありません。
へとへとになるまで疲れてしまうと、つい、
「どこにも行かず、何もせず、“家でごろ寝”と決めこもう」
という気持ちになりがちですが、これはかえって“体に毒”です。
たしかにストレスからは解放されるものの、疲れが回復してもゴロゴロし続けていると、“ごろ寝疲れ”がたまります。逆説的ですが、ストレスフリーな時間が、かえってストレスになってしまうのです。
何がよくないかというと、「時間に使われている」状態になることです。
「随処作主、立処皆真(ずいしょにしゅとなれば、りっしょみなしんなり)」
という、臨済宗の開祖である臨済義玄禅師の言葉があります。
この禅語が説いているのは、どんな状況や場所でも、自分の心の主導権を握り、主体的に生きることの大切さ。「休日の使い方」においても、ただ時間に流されるのではなく、貴重な時間を主体的にコントロールしていく必要があるのです。
ですから、ここは「ノープランがごろ寝を招く」と捉え、なんでもいいので、お手軽にできるプランを立てましょう。「これといって、やりたいことはない」という人も、少しでも自分の心が動きそうなことを見つけて、やってみてください。
本格料理に挑戦する。
映画館で気になっていた映画を見る。
美術館に行って、ついでに周辺の公園を散歩する。
家族で近場にキャンプに行く。
本屋さんに出かけて、カフェで買った本を読む。
……など、ちょっとしたイベントでいいのです。
そんなふうに休日は、心と体を動かす時間と、家でゆっくりする時間の両方を設けてみる。
それだけで休み明けは、身も心も軽くなっているはずです。
たとえば「授戒会」に参加してみる
長期休暇が取れたら、「授戒会」という仏教の儀式に参加するのもよいプランかと思います。一般的には「お授戒」と呼ばれる場合が多いです。
たとえば曹洞宗の大本山永平寺では、毎年4月23日から29日までの6泊7日の日程で授戒会が行なわれています。
簡単にいうと、自分自身の犯した過去の罪を懺悔し、
「これからは、お釈迦さま以来の戒法を守って生きていきます」
という誓約を立て、ご戒名、つまり真の仏教徒としての名前を授かる儀式です。
「戒弟さん」と呼ばれる参加者は、朝の坐禅に始まり、お坊さんといっしょにお経をあげるなど、朝昼晩のお勤めを行ないます。
食事も掃除も入浴も、すべてが修行ですから、作法通りに行ないます。
一方で、「十六条戒」という、仏として生きていくための約束事について勉強したり、全国各地から上山された和尚さま方から法話をいただいたり、坐禅の指導を受けたりなど、九つのプログラムを繰り返し修行します。

