「家でごろ寝」も過ぎれば疲れる

疲れを取る一番の方法は「寝る」ことですが、長く寝ればいい、というものでもありません。

へとへとになるまで疲れてしまうと、つい、

「どこにも行かず、何もせず、“家でごろ寝”と決めこもう」

という気持ちになりがちですが、これはかえって“体に毒”です。

ソファで寝る疲れた男性
写真=iStock.com/PonyWang
※写真はイメージです

たしかにストレスからは解放されるものの、疲れが回復してもゴロゴロし続けていると、“ごろ寝疲れ”がたまります。逆説的ですが、ストレスフリーな時間が、かえってストレスになってしまうのです。

何がよくないかというと、「時間に使われている」状態になることです。

「随処作主、立処皆真(ずいしょにしゅとなれば、りっしょみなしんなり)」

という、臨済宗の開祖である臨済義玄禅師の言葉があります。

この禅語が説いているのは、どんな状況や場所でも、自分の心の主導権を握り、主体的に生きることの大切さ。「休日の使い方」においても、ただ時間に流されるのではなく、貴重な時間を主体的にコントロールしていく必要があるのです。

ですから、ここは「ノープランがごろ寝を招く」と捉え、なんでもいいので、お手軽にできるプランを立てましょう。「これといって、やりたいことはない」という人も、少しでも自分の心が動きそうなことを見つけて、やってみてください。

本格料理に挑戦する。
映画館で気になっていた映画を見る。
美術館に行って、ついでに周辺の公園を散歩する。
家族で近場にキャンプに行く。
本屋さんに出かけて、カフェで買った本を読む。

……など、ちょっとしたイベントでいいのです。

そんなふうに休日は、心と体を動かす時間と、家でゆっくりする時間の両方を設けてみる。

それだけで休み明けは、身も心も軽くなっているはずです。

たとえば「授戒会」に参加してみる

長期休暇が取れたら、「授戒会じゅかいえ」という仏教の儀式に参加するのもよいプランかと思います。一般的には「お授戒」と呼ばれる場合が多いです。

たとえば曹洞宗の大本山永平寺では、毎年4月23日から29日までの6泊7日の日程で授戒会が行なわれています。

簡単にいうと、自分自身の犯した過去の罪を懺悔ざんげし、

「これからは、お釈迦さま以来の戒法を守って生きていきます」

という誓約を立て、ご戒名かいみょう、つまり真の仏教徒としての名前を授かる儀式です。

戒弟かいていさん」と呼ばれる参加者は、朝の坐禅に始まり、お坊さんといっしょにお経をあげるなど、朝昼晩のお勤めを行ないます。

食事も掃除も入浴も、すべてが修行ですから、作法通りに行ないます。

一方で、「十六条戒じゅうろくじょうかい」という、仏として生きていくための約束事について勉強したり、全国各地から上山じょうざんされた和尚さま方から法話をいただいたり、坐禅の指導を受けたりなど、九つのプログラムを繰り返し修行します。