「過剰品質」は求められていない

大きな組織の歯車として、ごく一部の専門領域に長けているだけでは、とても中小企業のお眼鏡にはかないません。

中小企業では超マルチタスクで業務を回し、どんな部下でも戦力化しなければならないので、広範囲の実務経験や、多様な部下のマネジメント経験を積んでいないと通用しないのです。

そうした中小企業がシニア転職者をお断りする際、失礼のないように「過剰品質」などの表現を使ったりしますが、その背後には「あなたの仕事のスキルや実績では即戦力になりません」という意味が込められています。

あるいは、それほど仕事ができて実績があったら、リストラの対象にならないだろうし、中小企業に応募などしてこないだろうと、邪推しているかもしれません。

しかし、○○の設計ができる、海外工場の立ち上げの経験が豊富といった人材は引く手あまたです。また、「技術士」や「薬剤師」といった資格も決め手になりますので、そこははき違えないようにしてください。

バブル入社組のプライドが命取り

役職定年や60歳定年を見すえ、今から転職活動を考え始める人の多くがバブル期に就職した人たちではないかと思います。

好景気に沸き、大手企業が競うように大量採用した時代です。空前の売り手市場だったため、“就職強者”と呼ばれた一部の大学出身者は大手企業から面白いように内定を取り付けたに違いありません。

そのまま「入社してやった」という上から目線で過ごすうち、就職氷河期世代の精鋭に30〜40代で追い抜かれた、と世間から揶揄される世代でもあります。就活の成功体験がしみついているバブル世代は、シニア転職で苦戦するとは想像すらしていないかもしれません。ここは気をつけましょう。

株価暴落のイメージ
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

ある意味、シニア転職は出身大学や出身企業に左右されない、真の実力の世界です。

一流大学、大手企業出身であることに過度にプライドを持つ人は、そのプライドが時に障害となります。もし運よく転職できても、そのプライドはプラスに作用しないでしょう。

なぜなら中小企業の現場では、シニア転職してきた大手企業出身者は、外様とざまで異質な存在だからです。「お手並み拝見」を決め込み、協力を得られない可能性もあります。それによって孤立し、居心地悪くなるケースはとても多いのです。

中小企業にうまく転職できたら、「能ある鷹は爪を隠す」振る舞いが、勝者の方略と言えそうです。

【ポイント】
シニア転職は真の実力の世界です。就活で無双したバブル世代は特に気をつけてください。