「管理業務をやりたい」は傲慢
異業種を転職先にするのはOKです。でも、デスクワーク中心の元管理職が介護の現場で働けるでしょうか? 人とのコミュニケーションが苦手なエンジニアが接客業に就けるでしょうか?
フットワークやサービス精神が求められる職場に、それまで主にデスクワーク系の管理業務をしていたシニアが多数、応募してくるそうです。
たとえば、介護施設では率先して汗をかく人物を求めているのに、異業種出身の元部長が「いや、デスクで管理業務に携われたら……」と希望しても、最初から話が噛み合うはずがありません。
介護の現場に携わった経験のない人にいったい何ができるのでしょう。自分のキャラクターを無視した迷走は実を結びません。むしろ、はた迷惑です。
もちろん、介護の仕事に携わりたくて資格を取り、現場で汗をかくことを望むのでしたら、何の問題もありません。しかし、前職のようなデスクから指示を出す仕事を介護施設に求めるのは認識不足と言わざるをえません。
デスクワーク中心の業務をしていた元管理職が、転職先に同様の仕事を希望する気持ちはよくわかりますが、正直、50代後半以降はツテがないかぎり、非常に難しいです。
マンション管理人の倍率は意外と高い
この“インクルーシブ時代”にステレオタイプな表現はしたくありませんが、わかりやすく言うと、自衛隊や警察・消防OBはマンション管理の仕事よりも警備会社のほうがおすすめですし、合格率もケタ違いです。
シニア転職でなくとも、自衛隊や警察からの警備会社への転職は、互いの需要と供給が一致する鉄板ルートです。
シニアたちの大きな受け皿となっているマンション管理の仕事は、実はかなり倍率が高いのです。きちんとやれば、住人から「ありがとうございます」とじかに感謝され、やりがいも感じられるため人気があります。そのため、なかなかの学歴や職歴の人も転職先に選びます。
私がお世話になった売上数兆円の企業の元部長は、子会社の役員を務めたあと退任して、マンション管理の仕事に就きました。
また、歳下の上司にあれこれ指示されたり、苦言を呈されるのは「プライドが許さない」と感じる方は、マイペースで仕事ができる職場を探すべきです。本人も不愉快ですし、歳下の上司もやりにくいでしょうから、お互いのためです。

