世界中央銀行のような役割を果たしたFRB

【河野】「最後の貸し手」というのは、金融市場を考える際の重要なキーワードです。金融危機が発生したときに、皆が万が一に備えて資金を蓄えておこうとするので、金融市場で資金が不足するようになります。これが危機の本質ですが、その深刻化を避けるため、中央銀行が無制限に資金を貸し出す役割のことを「最後の貸し手」というわけです。

これは一国の話ですが、グローバル金融市場で危機が起きると、ドル資金の奪い合いが起こったので、FRBがあたかも世界中央銀行のような役割を果たし、各国の中央銀行を通じて、市場にドル資金を供給したということです。

具体的には、FRBはECB、日本銀行、カナダ銀行、イングランド銀行、スイス国立銀行の5大中央銀行に対して、各国の通貨とドルを無制限に交換(スワップ)できる仕組みを導入しました。これが「通貨スワップ協定」です。