「メーカーの論理」に反逆した元営業

neruさんの正体は、大手総合繊維メーカーに約20年勤めた元ビジネスパーソンです。海外でインフラ機器を売り込む泥臭い新規開拓営業も経験しています。そんな彼が2014年にブランドを立ち上げた理由は、「メーカーの論理」に対する強烈な違和感からでした。

メーカー時代、「こうすれば消費者は絶対に喜ぶ」と確信したアイデアがあっても、「コストがかかりすぎる」「手間がかかりすぎる」と却下されてきました。削ぎ落とされ、丸められ、最終的に市場に出るのは、合理性の塊のような無難な商品ばかり。「メーカーが作るのは、合理性に合致したものだけ。

ならば僕がやるべきは、メーカーが絶対にやらない『非効率』や『無駄』の追求だ」。大手企業が技術的に「やれない」のではなく、立場として「やらない」領域にこそ勝機がある――この逆転の発想が、彼の原点です。中小企業の支援を生業とする筆者にとって、これは典型的な「ニッチトップ戦略」の成功例に映ります。大手と同じ土俵で戦うのではなく、大手が構造的に踏み込めない領域で独自のポジションを築いているのです。neruさんの発想の勝利は、多くの企業戦士の胸に刺さるのではないでしょうか。