核店舗が撤退し、運営主体が破産
さん・あぴおにて店舗が大量に閉店し、館内の大部分が閉鎖されているのは、専門店を運営していた新治商業協同組合が2022年11月に破産したからだ。
閉店した店舗跡には、「運営会社の破綻のため閉店します」との旨を記した貼り紙が掲示されている。2022年11月のカレンダーが貼られたままの店舗もあった。
さん・あぴおがオープンしたのは、今から33年前の1993年4月。新治村の商店主たちで構成される新治商業協同組合が開発を主導し、村にできるものとしては日本最大級のショッピングセンターとしてオープンした。核店舗にスーパーの長崎屋を迎え入れ、約40の地元専門店が出店した。
ところが、2000年2月に長崎屋が会社更生手続きを申請。不採算店舗とされた新治店は、2002年2月に閉店することになった。さん・あぴおは核店舗を失い、残されたのは大きな空き区画だった。
長崎屋の跡には2002年12月にスーパーのエコスが出店し、現在まで営業を続けている。しかし長崎屋の撤退が引き金となり、他テナントは次々と撤退していった。2008年にはすでに、「6年前に中核テナントの長崎屋が経営破綻したことからテナントの退去が続き、今はオープン時の約半分に減少した」と報じられている。(『エムデータTVウォッチ』2008年3月3日)
ショッピングセンターの命運は、核店舗の存在と集客力に委ねられるといっても過言ではないのである。
道路から駐車場、駐車場から店内へ行きづらい
さん・あぴおが衰退してしまう引き金となったのは「核店舗の撤退」だが、他にも大きく3つの要因があると分析する。
「施設内外の動線の悪さ」「商圏人口の少なさ」「施設規模の不適合」の3つだ。
まず、さん・あぴおは近くに国道125号(旧道)が通っているのだが、その国道に面していない。土浦駅方面から向かう場合、国道から一度右折し、さらに駐車場に入るにはもう一度右折しなければならない。
国道沿いには別の建物があり、さん・あぴおは隠れてしまっている。国道沿いには看板が立っているが目立たず、道路からの視認性が悪い。
駐車場は1500台分と豊富に用意されているのだが、いびつな形をしており、店舗入口付近にとめられる台数が限られている。
たとえば、さん・あぴおから車で4分ほどの距離にあるスーパーのカスミは国道に面していて視認性が良く、駐車場にも入りやすい。施設の前面に広い平面駐車場があるため、店内入口に近いところに車をとめて買い物できる。
さん・あぴおは、道路から駐車場、そして駐車場から店内までの動線に課題を抱えているのである。




