「アメリカの真の同盟国は日本だけだ」

もう一つ見逃せないのは、「保守的」という形容だ。

トランプ政権はこれまで、海外の右派指導者との連携を強める一方で、ヨーロッパの同盟国や、メキシコ、カナダといった歴史的に緊密だった国々との間では摩擦を生んでいる。

こうした変化に対し、多くのアメリカ人が不安を感じ始めているのも事実だ。

筆者の周囲のニューヨーカーの中には、「アメリカを本気で信頼してくれる同盟国は、もはや日本だけ」と口にする人さえいる。

この選挙のタイミングで、日本が現アメリカ政権と価値観や方向性を共有する「友好的な同盟国」であることを国内に示すことは、支持率が低迷するトランプ大統領にとって、またとない好材料だったと言える。

しかし、この歓迎ムードの裏側には、大きな「ツケ」が用意されている可能性がある。

防衛と経済が同じテーブルに

トランプ政治の最大のモットーが「ディール(取引)」であることは、もはや周知の事実だ。

儲かるか、儲からないか。得か、損か。

正しさや倫理といった、これまで国際政治や外交で重視されてきた要素は、トランプ外交においては二次的なものになっている。その結果、同盟国に対しても、かつては切り分けられていた安全保障と経済が、完全に同じテーブルの上に並べて語られている。

いまや安全保障は、「守っているかどうか」ではなく、

「どれだけ払っているか」
「どれだけアメリカに貢献しているか」

を測るための指標になった。

この変化をはっきり示したのが、防衛費をめぐる圧力だ。

アメリカは同盟国に対し、防衛費の増額を強く求めている。その中で、日本がGDP比2%以上を軍事費に充てる計画を、当初より前倒しで進めていることも、アメリカでは「評価すべき動き」として受け止められている。

だが、ここで注意すべきなのは、その評価の意味だ。それは「責任ある同盟国」という称賛であると同時に、「もっと要求できる相手」という認識でもある。

「力による平和」を掲げるトランプ型の同盟観と、極めて相性が良い高市政権に対しては、今後さらに、軍事費の引き上げ、米国製兵器の購入、在日米軍のコストや役割分担の拡張を求めやすい。

つまり、日本はトランプ氏の「同盟国はもっと払え」という要求を、通しやすい相手の一つだということだ。

軍備と費用のイメージ
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