「飛び始め」の対策が重要
これまで見てきたように、花粉症の症状は花粉曝露だけでなく、生活環境や睡眠、体調といった要因の影響も受けて悪化します。しかし、花粉症対策の基本はシンプルで、次の2点に集約されます。
① 花粉にできるだけ触れないこと
② 体の炎症反応を過度に高めないこと
できる対策を早めに積み重ねることで、シーズン全体を通した症状を軽くできる可能性があります。
また、花粉症対策で見落とされがちなのが、花粉の飛散初期、いわゆる「飛び始め」の重要性です。症状が本格化してから慌てて対策を始めるより、まだ症状が軽い段階で花粉曝露を減らす対策を開始したり、初期療法を開始することで、その後の症状の出方を抑えられる可能性が高いと考えられています。
ここでは、日常生活の中で実践できる「症状を悪化させにくくする」ための対策をご紹介していきます。
症状が出る前からマスクやメガネを常用
外出時・通勤時の基本動作
外出時や通勤時は、できるだけ花粉を体に付着させないこと、そして室内に持ち込まないことが重要です。
・マスクやメガネは、症状が出てからではなく、花粉の飛散開始時点から常用する(「花粉対策用」と表示されたものを選び、顔にできるだけ密着させる)
・コートやジャケットは、できるだけ花粉が付着しにくい素材を選ぶ(ナイロンやレザーなど表面がなめらかなものが望ましい)
・建物に入る前、玄関やエントランスで、衣類や髪・バッグ表面の花粉を落とす
ポイントは、室内に持ち込まれる花粉量をできるだけ減らすことです。
オフィス・自宅で共通する「室内対策の考え方」
花粉対策は屋外だけでなく、室内環境の整え方も症状の軽減に直結します。
室内環境で意識したいこと
・窓を開けるのは最小限にし、換気は短時間で行う(花粉の少ない早朝や夜間を選ぶ)
・洗濯物や布団の外干しは、飛散量の多い時期は控える
・掃除は、拭き掃除を併用し、花粉の舞い上がりを防ぐ
オフィスの場合
・空気清浄機は「花粉モード」や「HEPAフィルター搭載」モデルを選ぶのがベスト
・設置場所は人の動線付近(入口・デスク周辺)が効果的
・花粉シーズン中は、加湿機能の併用で鼻粘膜の防御力を維持
・PC周りのホコリは花粉が溜まりやすいため、こまめに拭き掃除を行う
また、花粉飛散量が多い日や症状が強い時期には、可能であればリモートワークを取り入れることを検討してみるのも有効な対策の一つとなります。

