浮いたお金は「インデックス投資」へ

では、AさんとBさんで、具体的にどれくらいの差が生まれたのでしょうか。2人の維持費をまとめると、Aさんのケースでは、税金、保険料、燃料、車検代などを含めたランニングコストが年間約60万円程度に達しました。一方Bさんのケースでは、約20万円でした。

その差は年間約40万円です。もちろん使い方により生まれる差もありますが、もし仮に3年程度で売却をするとしてもランニングコストの差は約120万円にのぼります。例え、「特に贅沢はしていない」という認識であっても、日々生活の中で使う支出(生活費)が静かに底上げされているのです。

電卓で計算をする人
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

一方、「いつの間にか富裕層」になったかたは、生活費の底上げを安易に行わず、投資にまとまった金額を定期的に拠出しているかたが多いです。

例えばBさんの場合は、維持費負担が軽い車種を選びながら、2011年頃から約15年間、月5万円から始まり、毎月一定額を淡々と投資に回してきたそうです。つみたて投資にまわすお金を減らす年もあったものの、家計にゆとりがあれば、投資に回すお金を増やし、直近では月10万円を投資にまわしていました。

具体的にはBさんの場合は、日本株式インデックスファンドと全世界株式インデックスファンド(オルカン)を長年保有していました。

“生き残り戦略”としての「軽自動車」

車は税金面では家と同様に資産として扱われ、中古市場もあります。しかし、10年もたたないうちにリセールバリューはゼロに近づくというのが一般的な認識でしょう。一部には購入時より高値で売却できるケースもありますが、その多くは市場環境や需給に左右され、リセールバリューには大きなばらつきがあります。

結局のところ、AさんとBさんは資産形成においては真逆の行動をとっていたとも言えます。

Bさんは収益を生みづらいもの、不確実性の高いものへの費用は最小限にとどめ、収益をより生みやすいものへの割り当てを効率的に増やしていました。“いつもの生活”を続けることを重視し、ハイランクの車をあえて持たないことで家計収支にゆとりを生み、結果として、安定した資産形成を下支えしていました。

会社員は昇給のペースや金額を自分でコントロールすることはできません。しかし、ある程度収入の水準を見通すことができる点が強みです。コストをある程度コントロールできれば、家計の持続性を高め、長期の資産形成の実践へとつながります。これは、不透明な時代において“負けにくさ”を重視した一つの生き残り戦略とも言えます。

NISAやiDeCoなど資産形成の環境が広く整えられている今、Bさんが通ってきたような「いつの間にか富裕層」への道が開かれる可能性もあります。

まずはシンプルに「自動車は道具」ととらえ、ご自身の人生の青写真(ライフプラン)から逆算し、ちょうどいい自動車像をイメージするところからはじめてはいかがでしょうか。

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