あえて生活動線にも配置するメリット
我が家もそうなのですが、おもちゃや遊び道具がだんだん増えてくると、本棚の前にそのときの子どものお気に入りが山積して、本棚が「背景」になってしまうのです。そこで本棚から1冊でいいので取り出して、子どもがよく座る辺りの壁に立てかけて置いたりします。
子どもの部屋以外にも本を置けるような環境であれば、子どもの部屋以外にも別置することを検討しましょう。子どもの部屋では、読書以外の遊び道具も多く置いてあるはずですので、それほど本に注意が向かないかもしれません。そこで、そういった物がない場所にも配置しておくわけです。
どちらも「子どもが本を目にする確率、手を伸ばす確率」をより高めるためなので、本棚だけで十分に目立つような家であれば、無理して行う必要はないでしょう。
我が家では、子ども部屋の中の子どもがよく座る辺りの壁に3〜4冊立てかけたり、リビングに子どもが持ち込んだおもちゃカゴがあるので、そこに大きめの本を1冊くらい、表紙が見えるように差しておいたりしています。同じ本ばかりを読んでくれとせがむので、興味を持ってほしい別の本や、表紙がきれいな本を飾りのつもりで置いたりもしています。
本棚や別置場所の本は、定期的に更新します。新しく買い足したり、図書館で借りてきた本を入れてみたり、これまでは棚差しや倉庫に眠らせていた本をたまにはディスプレイ棚や別置場所に置いてみたり、といった具合です。
「読ませる」ではなく「目に入る」環境を作る
本を替えて、新鮮な風景をつくることで、「子どもが本を目にする確率、手を伸ばす確率」を高めます。また、更新された本棚を見ることで、「保護者が本を重要視しているんだな」ということが自然と伝わるでしょう。子どもの性格や年齢によっては、更新された本棚が「本を読めと押し付けるメッセージ」にもなりかねませんので、更新頻度は子どもの様子に応じて変化させます。
そうした懸念が特にないのであれば、月に1〜2回、あるいは、「最近、子どもが本を読んでいる姿を見かけないな……」と思ったときで十分だと思います。いったん子どもが読書家になってしまえば、子どもが本をせがんでくるので、保護者が意識しなくても本棚は自動的に更新されていくでしょう。
もっと大きくなって、子どもが自分で本棚をアレンジするようになれば理想です。その場合も、子どもの本選びに新風を吹き込む意味で、別置の本くらいは保護者のチョイスを入れるとよいでしょう。
子どもの読書をテーマとした他の本では「読書専用の子ども部屋をつくる」「家のあらゆる場所に本を置いておく」といった方法を提案していることもありますが、家庭は子どもの教育だけの場ではなく、ましてや読書をするためだけの場でもないことを考えれば、少々やりすぎだと思います。
むしろ、ここに書いたくらいの仕掛けで反応してくれるようになるまで、じっくりと子どもが育つのを見守るという態度が肝要だと思います。

