仕事ができる「シゴデキさん」の条件は何か。組織開発専門家の勅使川原真衣氏は「企業や経済産業省が求める人物像を紐解くと、職場の人材に対して相当多くのスキルを期待していることがわかる」という――。

※本稿は、勅使川原真衣『「頭がいい」とは何か』(祥伝社新書)の一部を再編集したものです。

ビジネスコンセプトのチームワーク
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企業が求める理想の「シゴデキさん」

「シゴデキ」という言葉をご存知でしょうか。シゴデキは「仕事ができる」の略で、2020年代に入ってから広まった俗語です。ビジネスの現場においては、「頭がいい」とほぼ同義と言ってもいいかもしれません。最近は仕事の現場に限らず、有能さや手際のよさ、気配りができる言動などを気軽に褒めるときにも使われているようです。

さて、社会に出ると、今度は「労働」というステージで、学校とは別種の「頭のよさ」に私たちは向き合わなければなりません。成績を上げて希望校に合格するための評価軸から、「シゴデキ」に近づくための終わりなき競争が始まるのです。

では、会社(労働の現場)における、シゴデキさん、すなわち「頭がいい人」の条件とは具体的にどのようなものでしょうか。

就活生が参照するであろう、企業の採用ページにある「求める人材像」を見れば一目瞭然です。国内有名企業のものをいくつか紹介します。

各企業の求める人物像(一例)

・高い倫理観を持ち、誠実かつ公正に行動し、周囲と良好な関係を築く姿勢を持つ人
・組織としての競争力を高めるために人財育成やマネジメントを行う力のある人
・前例や慣例にとらわれず、失敗を恐れずにチャレンジ精神を持って行動する姿勢を持つ人
・仕事の中で実現したい夢・志を持ち、高い目標へ挑戦し続けていく
・壁にぶつかっても諦めずに最後までやり遂げる人財
・主体性を持って周りを巻き込んでいける人財

皆さんはどうなんでしょうか? と、これを決めている既存社員に訊いてみたくなるような全人評価。しかも「人財」……。

経団連が「就活生に期待する資質」

また、参考までに、日本経済団体連合会が2022年に公開した「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果」も見てみましょう。企業が就活生に期待する資質として、回答企業の約8割が「主体性」「チームワーク・リーダーシップ・協調性」を挙げています。

そのほか、「学び続ける力」「課題設定・解決能力」「論理的思考力」「創造力」がいずれも上位に。「文系・理系の枠を超えた知識・教養」を期待する企業も多く見られました。欲しがりますねぇ。