「売りに来る人」も大切な客である

売りにいらっしゃったお客さまの品物は、高く買わねばならんと思っています。それは、私たちにとっては売りに来た方も買いに来た方も両方とも大切なお客さまなんです。ご存じのように、セカンドストリートの店は販売する場所、商品を買い取り仕入れする場所としてのふたつの役割を持っています。一般の小売店の店舗とは違うのです。そして、商品はなるべく高く買い、売る時はなるべく安くする。高く買って安く売るのが正しい方向性です。

しかし、それだと利益率が下がる。そこで、ローコストで運営していくのです。店舗の投資はそこそこきれいに見える程度にしておく。社員の給料は、単価を上げて人数を少なくする。単価を下げると人材の獲得競争に負けてしまいますから。

インタビュー中の遠藤氏
撮影=西田香織

会社経営は「寄せ鍋状態」でいい

野地秩嘉『セカストの奇跡 逆襲のゲオ』(プレジデント社)
野地秩嘉『セカストの奇跡 逆襲のゲオ』(プレジデント社)

買取査定をAIにすればいいじゃないかという声もあります。けれど、いきなりAIにはならないので、それまでにステップを踏んでいきたい。査定のプロ職人がいれば本部に所属してもらい、本部が買取査定のシステムをつくる。それを全店に波及させていく。エリアでいちばん詳しければいいのではなく、全国レベルに通用する商品知識を身に付けてもらう。それがセカンドストリートのノウハウになっていきます。

なんといっても重要なのが採用、人材教育です。それがいちばんの課題です。ゲオホールディングスにはゲオやセカンドストリートだけでなく、いくつもの会社があります。仕事の種類を見てM&Aしたわけではなく、普段の暮らしを豊かで楽しくし続けることに関係しているところを仲間にしています。楽しさの提供ができれば何でもいい。店があろうがなかろうが、チェーンであろうがあるまいが関係ありません。その結果、当社にはいろいろなチームがいて、寄せ鍋状態になっている。楽しさの寄せ鍋であればいい。そう私は思ってます。

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