▼太田彩子さんのメソッド
目標が明確になれば、いまやるべきことが自ずと決まると考えている人は多いでしょう。じつは私も、かつては目標から逆算して自分の行動を決めていくタイプでした。たとえば昔は、まわりの優秀な先輩たちを目標として設定。先輩たちと比べていまの自分に足りないものを埋めていけば、いずれは自分もトップセールスになれると考えていました。
しかし、結局は途中で無理が生じて挫折しました。そのとき気がついたのは、ゴールから逆算するやり方は自分に合わないということ。足りないものに焦点を当てるより、自分にできることを足元から積み上げていくほうがいい。女性の強みを活かして営業しようという発想になれたのも、この経験があったからです。
人生の目標も同じ。私の目標は「営業女性を元気にすること」ですが、最初から明確なビジョンがあったわけではありません。目の前の小石を1つ1つ拾いあげるようにして自分のやりたいことを積み重ね、その先に何があるのかを思い浮かべていく。ゴールではなく、方向性として目標を定めていくイメージです。
具体的には、自分に響く言葉や気になったフレーズを普段からこまめに手帳にメモ。年に1回、それらを読み直して自分の方向性を探ります。自分の進む道が見えてきたら自作のライフデザインノートに書き留めて、考えを広げていきます。ゴールから逆算するやり方に窮屈さを感じている人は、こんなやり方もあることを知っておいて損はないと思います。
太田彩子(ベレフェクト代表取締役)
早稲田大学卒業後、リクルートに入社。企画営業として社内MVPを3度受賞。2006年ベレフェクト設立。現在は女性営業の育成に特化したコンサルタントとして活動。支援した女性は4万人以上。著書は『1億売るオンナの8つの習慣』ほか。
早稲田大学卒業後、リクルートに入社。企画営業として社内MVPを3度受賞。2006年ベレフェクト設立。現在は女性営業の育成に特化したコンサルタントとして活動。支援した女性は4万人以上。著書は『1億売るオンナの8つの習慣』ほか。
(村上 敬=構成 澁谷高晴、的野路弘=撮影)