※本稿は、大塚篤司『大学病院の美容皮膚科医が教える 最新医学でわかったシミ・シワの「消し方」』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。
不思議なほど若く見える人がいる
私たちが日常で目にする人々の中には、年齢を重ねているにもかかわらず、驚くほど若々しい肌を保っている人が少なくありません。何十年と生きていれば、多くの人が少しずつシワやシミ、くすみを抱えるようになっていくのが当たり前――そう思っていたところに、「あれ、この人はなぜこんなに若く見えるの?」と不思議に感じる瞬間があります。こうした人たちは、単なる遺伝や偶然によるものではなく、日常生活の過ごし方や心の持ち方によって、自分の肌を健やかに保つ術を身につけています。
ここでは、肌年齢を若く保つ人々が実際に行っていることを、栄養、睡眠、保湿、入浴、心の姿勢、寝姿勢、食事法、ストレスコントロールなどの観点から解説します。そして、その根底にあるのは「もう年だから」と言わない意識の高さです。
ビタミンCを摂り、内外から抗酸化ケア
肌年齢を若く保つ上で欠かせない栄養素の一つが、抗酸化作用に優れたビタミンCです。肌は日々、紫外線や大気汚染、ストレスなど様々な要因によってダメージを受けています。こうしたダメージの多くには活性酸素による酸化ストレスが関わっており、細胞を老化させる大きな原因となります。
ビタミンCは、コラーゲンの生成をサポートし、肌のハリと弾力を維持する役割を担うだけでなく、活性酸素を中和して細胞を保護する働きもあります。日々の食事で意識したいのは、柑橘類やキウイフルーツ、イチゴ、パプリカ、ブロッコリーなどビタミンCが豊富な食材をバランス良く取り入れることです。また、加熱や保存で栄養価が損なわれやすいビタミンCを十分確保するには、フレッシュな野菜や果物を生で食べる機会を増やしたり、スムージーにして摂取したりするのも良い方法です。
さらに、外側からのケアには「ビタミンC誘導体」を含むスキンケアアイテムが有効です。純粋なビタミンCは不安定で肌に浸透しにくい性質がありますが、誘導体は肌の内部でゆっくりとビタミンCとして働くため、より安定的で効果的なケアが期待できます。継続的な使用で、くすみが減少し、肌に透明感が蘇りやすくなります。若々しい肌を保っている人は、内と外からビタミンCを効果的に補給しているのです。

