「日本は貧しい」は本当なのか――。実は今、個人が資産を築きやすい時代になりつつある。学歴・職歴不問で「シン富裕層」になれる近道とは。
東京の夜景
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資産を築きやすい時代が日本にも到来している

メディアでは連日、物価高の報道が流れ、「日本は貧しくなった」という通説を耳にする機会が増えました。しかし、これは正確ではありません。ニッセイ基礎研究所が公表した『家計の金融資産残高』(2023)を参照すると、00年前後、国内の金融資産残高は約1400兆円を推移していましたが、現在では2200兆円を超える水準に達しています。

大森健史氏
大森健史(おおもり・けんじ) ​1975年生まれ。大学卒業後、国際証券に入社し、資産運用のコンサルティング業務を担当。2004年にアエルワールドを設立し、代表取締役に就任。海外移住や長期滞在に関する相談実績は2万人を超える。著書に『日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか』(朝日新書)、『進化するシン富裕層』(日刊現代)がある。

しかもこの調査には、不動産や暗号資産などは含まれておらず、近年の不動産バブルやリスク資産の価格上昇傾向を鑑みれば、実際の資産総額はさらに増えていると推定されます。

野村総合研究所では、純金融資産保有額が5億円以上の世帯を「超富裕層」と定義していますが、この層に該当する世帯数も増加傾向にあります。こちらも金融資産のみのデータなので、統計に含まれない超富裕層が存在します。市井の感覚とは裏腹に、国全体の富は潤沢になっているのです。

この背景には、資産形成を後押しする環境の変化があります。スマートフォンの普及やネット環境の進化、コロナ禍による非対面やペーパーレスの浸透、そして副業に対する社会的寛容さの広がり――。こうした要因が重なり、個人が資産を築きやすい時代になりつつあるのです。

呼応するように、資産を増やす手段も柔軟になっています。私は国内から海外移住を希望する方の支援事業に携わり、これまで約2万人の富裕層と接してきました。00年代を振り返れば、定年近くまで企業に勤めて、老後の愉しみとして海外移住を希望する60〜70代からの相談が大半でした。

それが現在では45〜50歳からの依頼が最も多く、20代後半からの依頼も珍しいものではなくなりました。顧客層の低年齢化が進んでいるのです。

【図表】日本の超富裕層は年々増え続けている

こうした潮流を踏まえ、私は新しい富裕層を“シン富裕層”と呼び、4つのタイプに分類しています。①自身で企業を経営してきた「ビジネスオーナー型」、②与信を活かして株式や不動産などで資産形成をしていく「資本投資型」、③情報商材や動画配信などで副業を行う「ネット情報ビジネス型」、④FXや暗号資産で一発当てた「暗号資産ドリーム型」です。

では、一般の会社員が「シン富裕層」に近づくためにはどうすればいいのか。その最たる近道が「③ネット情報ビジネス型」、いわば副業を始めることです。

一見、情報商材を販売するのはハードルが高く映るかもしれませんが、「人は誰しも面白い本が一冊書ける」というように、自分の経験や知見をコンテンツ化すればそれが価値になる時代です。たとえば私自身、子どもの中学受験で面接対策に苦労した際、ほかの保護者が作成した面接ノウハウのブログ記事を、1万5000円で購入したところ非常に有益だった経験があります。

これがライターであれば取材や記事の書き方、人事であれば採用や良い組織のつくり方、フィギュアのコレクターであれば市場価値や購入時の注意点など、誰しも自らの知識や経験を通じて稼げる「種」を持っているのです。そう考えれば距離を感じていた副業も、グッと身近なものに感じるのではないでしょうか。

(構成=佐藤隼秀)