竹川美奈子(たけかわ・みなこ)
ファイナンシャル・ジャーナリスト。明治大学政治経済学部卒。出版社や新聞社を経て、2000年ファイナンシャル・プランナー資格を取得。執筆活動を行う一方、講師としても活躍。近著に『一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門』など。

年利15%とのタイトルを見て、「いまどき本当?」と思う人もいるかもしれない。ところが「個人型確定拠出年金(DC)」なら、最低でも5%が課税される所得税、一律10%の住民税を節税でき、年間15%のリターンを確実に得ることができる。個人型DCのメリットと活用法を紹介する本は、業界でも初だ。

「こんなにいい制度があるのに、『何で知られてないの?』と思ったのが、執筆のきっかけです。2011年から書こうと思っていたのですが、個人型DCについては金融機関のホームページなどにもあまり情報を載せていないケースが多い。どの金融機関がお勧めかについての知識はありましたが、もっといいところがあるかもしれないと、情報を集めるのにネットや電話でひたすら資料を取り寄せて、最終的に6社を紹介しています」

07年4月に出版した『投資信託にだまされるな! 本当に正しい投信の使い方』は、中立的な立場からのわかりやすい解説が話題を呼び、20万部を超えるヒットとなった。今回の本もまた、個人が手に取りやすい構成と内容になっている。

「老後の資金に関しては、不安と思っていても何もしない人がいる一方で、窓口で勧められるままに手数料の高い商品を買ってしまう人もいる。過度に不安になるのではなく、必要なお金の知識を身につけて、1人ひとりが主体的に行動していくことが大切だと思っています」

主催者の1人で、月に1度開催する個人投資家の交流会「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」は6月で3周年。会場も全国で13個所に広がった。

「アメリカには消費、貯金、投資、寄付という4つのクチがついた子ども向けのブタの貯金箱があります。つまり、お金を入れるときに、それが何のためのお金かを考えさせるようになっている。日本でも、消費と貯金のポケットだけでなく、東日本大震災の影響もあって、寄付というところまでは個人の意識がきています。そこに、投資のポケットもぜひ加えてほしい」

(大沢尚芳=撮影 Tharros(タロス)=撮影協力)
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