接待や会食の場をセットする時にどんなことに注意を払えばいいのか。20年以上グルメ誌編集長を務めている大木淳夫さんは「大人数の場合、飲み物の種類が豊富、禁煙、時間制限がある、靴を脱がない、といった4大ポイントを抑えることが重要だが、他にも配慮すべき点がある」という――。

※本稿は、大木淳夫『50歳からの美食入門』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

ビアジョッキで乾杯
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会食の店を選ぶコツ…経費で落とせる5500円と少々の妥協

「3000円以内で個室10人ですごく旨い店教えて!」

そんなお店があったら、私が知りたいくらいです。

仕事柄、先輩、後輩、社内外含めてあらゆる人から会食の店を聞かれるのですが、こんな無茶ぶりも時にあります。

大前提として大人数で飲むなら、どこかで妥協は必要です。

よく聞かれるのは税込5500円以内でいい店はないか、ですね。会社員の方ならご存じのように、この値段までは経費として計上できる交際費で、超えると接待費で損金になるからです。2024年4月から1万1000円に引き上げられたはずなのですが、どうもまだ5500円の会社が多い気がします。

このことはお店側もよくわかっているので、グルメサイトで検索すれば、5500円飲み放題コースが山のように出てきます。とはいえ、ではどこを選ぶかですが、それなりの人数の時は以下のポイントは押さえておいたほうがいいでしょう。

大人数の4大ポイント

①飲み物の種類が豊富
嗜好は多様化しているので、ソフトドリンクも含め、選択肢が少ないとがっかりされてしまいます。

②禁煙
吸わない人は本当に嫌がりますから。

③時間制限がある
当然、乗り気でなくて、早く帰りたい人もいますので、区切りの目安はあったほうがいいです。

④靴を脱がない
特に女性は靴を脱ぐような和室を好みませんし、おじさんも畳の上にずっと座っていると、腰にきます。

このような条件を満たすお店の中から、内観の画像も見て選べば、最大公約数の賛同は得られると思います。

レストランの予約席
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