じっくり考え事をするのにうってつけの時間帯はいつか。独自の「タイムコーディネート」を提唱し、4000人に時間術を指導してきた吉武麻子さんは「頭と心が一番整っている朝が向いている。現に、成功している経営者たちもアイディア創出のために朝の時間を使っている」という――。

※本稿は、吉武麻子『24時間が変わる朝の30分』(大和書房)の一部を再編集したものです。

日没時の窓とテーブルの上のラップトップ
写真=iStock.com/xijian
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後回しにしがちな「考え事」は朝やっつける

集中力が最も高まる朝時間には、時間が読めず、後回しにしがちな考える作業をあえてあてるのがおすすめです。たとえば、

・企画を立てる
・文章を構成する
・イベントの内容を考える
・商品名を決める

といった、ゼロから何かを生み出すような仕事上のタスクはもちろん、

・家族旅行のプランを立てる
・子どもの習い事をどうするか

など、私たちの暮らしの中には、考えることがたくさんあります。

共通しているのは、どれも取りかかるまでに気力が必要なこと。そして、どれくらい時間がかかるか予測しにくいこと。

正解がないうえ、考えれば考えるほど広がってしまう作業は、どうしても「まとまった時間ができたらやろう」と、後回しにしてしまいがちです。

完璧を目指さず、ハードルの低い一歩から

でも、こうした考える作業こそ、頭がクリアで、雑念の入りにくい朝に取りかかると、驚くほどスムーズに進みます。

まずは小さな一歩を踏み出すことが何より大事です。WordやNotionを開くだけでもOKですし、ノートを開いて思いつく単語を殴り書きしたり、マインドマップで連想を広げていくのもおすすめです。

大切なのは、いきなり完成形を目指さないこと。ハードルの低い一歩を踏み出すことで、次のアクションへと自然につながっていきます。

たとえば営業職の方であれば、取引先から頼まれていた忘年会のセッティングを「何も決まっていないけれど、そろそろ動かないと」と気にしながらも放置していたり、提出したい稟議書があるものの、メモだけでは詰めが甘く「一度ちゃんと考え直したい」と感じていたりすることもあるでしょう。