正解はないからこそ自分なりの人生を楽しめる

人生に意味がない、ということは、その人生に価値がないということとイコールではありません。むしろ、人生自体に定型の意味(決まった型)がないからこそ、好きなように、自分の思うままに生きればいいというのがシオランの主張です。彼自身も、意味を求めない人生の中で自分の求める「軽やかに生きる」道を模索しました。

人生の意味を1つの正解として求めるのではなく、「そもそも正解はない」という前提に立った上で、それでも自分なりのあり方を見つける。そこに、彼の人生観があります。たとえば、成功や幸福を追い求めることが本当に価値ある生き方なのか、という問いも、シオランの思想から見れば「人生に意味(正解)はないのだから、なにをもって価値とするかは、自分で決めればいい」という開き直りへとつながっていきます。