※本稿は、山下明子『食べる瞑想』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
「□□は控えよう」は純粋に食事を楽しめない
「○○を食べるようにしましょう」
「□□はできるだけ控えましょう」
書店に並んでいる健康法を謳う書籍の多くは、このように「食べ物」ばかりに焦点が当てられています。もちろん、医学的に正しい根拠にもとづいたそのような解説を否定する気は一切ありません。
ですが、私たちの食生活は日々変化するものです。
友人との飲み会があったり、忙しくて昼食をとる時間があまりなかったり、自炊する気が起こらず、コンビニで夕食を買って帰ったりする日もあるでしょう。そんなときにも、「○○を食べよう」「□□は控えよう」などと考えていると、純粋に食事を楽しめなくなってしまいます。
一方で、本書が提案する「食べる瞑想」は「食べ物」ではなく、もっと実践が簡単な「食べ方」に焦点を当てています。
つまり、再現性がとても高く、継続できる可能性が非常に高いのです。
実際、「食べる瞑想」に使う食材は、どんなものでも構いません。さまざまな食材を使って瞑想することで、それぞれの違いを感じることもできます。
とろとろしたヨーグルト、シャキシャキした生野菜、ツルツルした麺など、食材の種類の数だけ異なった楽しみ方ができるのです。
どんな食材がいい、ということはありません。
本稿では「食べる瞑想」を具体的にイメージしていただけるよう、チョコレートを使った基本的な実践方法をご紹介します。私はこの方法を「チョコレート瞑想」と名づけ、全国各地の講演会などでお話ししてきました。
ここでお伝えするのは、あくまで「こんなことに意識を向けて食べてみてはどうですか?」という提案です。「こうでなければダメ」というルールではないので気楽にやってみましょう。
一番大切なのは、読むだけで終わるのではなく「実際にやってみること」です。

