学校の理科室
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ノーベル賞シーズン、自然科学部門では2人の日本人研究者の受賞が決まり、世の中が沸いている。一方、ユニークな視点から優れた研究を表彰する「イグ・ノーベル賞」でも、日本の研究者は大活躍。19年連続受賞している。

シマウマ柄で吸血ハエを阻止!

「私たちは、シマウマのような縞模様を牛に描くことで吸血ハエ(アブやサシバエ)を阻止することを実証しました」

研究内容を発表する壇上で、児嶋朋貴研究員がこう言って上着を脱ぐと、「シマウマ柄」のシャツが現れた。会場からは「おーっ」と歓声が上がり、拍手が広がった。

今年のイグ・ノーベル賞の「生物学賞」は、農業・食品産業技術総合研究機構の児嶋研究員らのチームが受賞。授賞式は9月18日、米ボストン大学で開かれた。

式後、児嶋さんは「私たちの研究を通じて、『科学は面白い』と思う人が増えたらうれしい」と報道陣に語った。

白い塗料でシマウマ柄に塗られた黒毛和牛の写真はどこかユーモラスで、来場者の笑いを誘っていたが、その効用は実は大きい。

「面白いだけでなく、『シマウシ』のペイント効果は驚くほどです。吸血昆虫がつく回数が半減しました」と、授賞式で裏方を務めた、イグ・ノーベル賞日本担当ディレクター、立教大学理学部の古澤輝由(ふるさわ・きよし)特任准教授は語る。

イグ・ノーベル賞の常連

記者もアブやサシバエの針のような口吻(こうふん)で皮膚を刺された経験があるが、強い痛みやかゆみをともない、非常に不快だった。牛も刺されると、ストレスで睡眠障害になったり、食欲が低下して体重や乳量が減ったりする。虫が媒介する伝染病への感染リスクも高まる。今回の研究は、殺虫剤に頼らない害虫対策につながる可能性がある。

日本の研究はこのイグ・ノーベル賞の常連だ。

イグ・ノーベル賞は、「人々を笑わせ、考えさせる優れた研究に与えられる賞」として、1991年に創設された。日本の研究者は、今年で19年連続の受賞となる。受賞数は31回で、米国、英国に次いで、3番目に多い。