株式相場が下がったときにはどうすればいいか。投資ブロガーのりんりさんは「長期インデックス投資家が荒れ相場でやってはいけないことが2つある。それは低コストのインデックスファンドやETFを運用するバンガードのデータからも明らか」という――。
金融グラフを見て頭を抱えるビジネスマン
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中国リスク再燃でS&P500が急落

10月10日、トランプ米大統領が対中関税大幅引き上げを警告。米中対立激化の懸念から米国株式市場は下落した。一方日本では、自民党の高市早苗総裁誕生を受け株価は一時上昇するも、その後、公明党が自民党との連立離脱の方針を示したことで、株価は不安定な動きを見せています。

株価の急落、金利や為替の上下、不確実性の増加。ニュースが不安を煽るたびに「このままでは資産が減ってしまうのではないか」「大丈夫か」「何かしなければ」という気持ちに駆られる投資初心者も多いのではないでしょうか?

しかし、その衝動こそが投資家の敵であり、感情をコントロールすることが荒れ相場を乗り切る鍵となります。

この記事では、荒れ相場で絶対にやってはいけないこと、そして本当のお金持ちが荒れ相場で実践していることについて、解説したいと思います。特に最近投資を始めた投資初心者、新NISAやiDeCo等でS&P500やオルカンなどに投資している人の参考になれば幸いです。

荒れ相場で損をする人の典型例

今回のような荒れ相場で最もやってはいけないことは、感情にのまれ、冷静さを欠いた投資判断をすることです。荒れ相場といいましたが、例えば、1928〜2023年のS&P500の動きを検証すると、年間の最大下落率は平均▲16.4%(ドルベース)です。

日本から投資する際には為替リスクもありますし、ドルベースで平均▲16%ということは、1年のうちに10%や20%程度の下落が起こることは普通にありえます。その程度の下落は、そもそも騒ぐほどのことではないのです。

実際に過去60年間のデータを振り返ると、世界では108回の景気後退が起きています。しかし世界の株式市場はそのすべてを乗り越えてきました。荒れ相場、下落相場はよくあることです。それにイチイチ一喜一憂し感情を揺さぶられない範囲で投資をすることが大切です。

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