日中と夜間とで様子がガラッと変わるのが、高速道路のSA・PAだ。物流ジャーナリストの坂田良平さんは「深夜帯は休憩しているトラックが押し寄せ、乗用車用スペースに駐車するといった迷惑行為も散見される。ただ、こうした混雑が起きる原因は『トラックドライバーのサボり』ではない」という――。
一般ドライバーからすれば「迷惑すぎる」
ご存じない人も多いと思うが、トラックを原因とする深夜帯の高速道路SA(サービスエリア)・PA(パーキングエリア)の混雑が凄まじい状況になっている。
交通量が多い新東名では、SA・PA内の駐車スペースでは空きを見つけられなかったトラックが、本来の駐車スペースではない走路上や、普通乗用車用の駐車スペースを塞ぐように駐車しているケースもあり、中にはSA・PAと高速道路本線をつなぐ分流・合流ランプ上に駐車しているトラックすらいる。
こうした状況に一般ドライバーからは、「危なすぎる」「迷惑極まりない」といった批判の声も上がっている。
こうした状況は、職業ドライバー向けの労務コンプライアンス、高速道路の深夜割引制度、そして高速道路各社の事情などが複雑に絡み合った結果として生じており、一朝一夕に解決することは難しい。
30年前は事実上「働かせ放題」だった
筆者が現役トラックドライバーだったのは、もう30年近く前の話だ。
その頃は、今のようなトラックによる深夜帯のSA・PA大混雑は発生していなかった。なぜなら、今に比べて職業ドライバーに対する労務コンプライアンスがゆるく、また摘発もあまり行われていなかったため、事実上ドライバーを働かせ放題だったからである。

