著名人に「お金」に対する思いや考え方を聞く不定期シリーズ「私とお金」。第3回は、医師の和田秀樹さん(65)です。ベストセラー作家でもありワイン通、さらに受験指導の専門家として資金を貯め、映画も制作しました。常に情熱を持ってやりたい道に突き進む和田さん。映画制作や医者になってからの生活、これからの夢などについて語ってくれました。
5千万円の印税
――和田さんは、「映画を作りたいから医者になった」というのは本当ですか。
はい。東大在学中、登竜門的なコンテストにはことごとく落ちてしまった。それで、自分でお金を貯めて映画を撮るしかないと。卒業後、通信教育ビジネスなども成功し、貯めた1億円超を投資して「受験のシンデレラ」(劇場公開2008年)を制作しました。モナコの映画祭でグランプリを受賞し、NHKのプロデューサーの目にも留まりリメイクされるなど、作品の評価は高かったのですが、興行は考えていなかったので、大損しました。1億数千万円かけて戻ってきたのは1千万円ほどです。
――医者になってからの生活はいかがでしたか。
大学時代のバイトで稼いでいたときと違い、研修医の給料とアルバイト代で月30万円ほどでした。都内(大田区)に4千万円のマンションを購入し、月のローンが30万円だったので、すぐに資金が足りなくなりました。しかし、医者になって2年目に『受験は要領』(のちにPHP文庫)を出版し、30万部のベストセラーとなったおかげで、5千万円の印税が入りました。

