後悔のない人生を送るにはどうしたらいいか。医師の和田秀樹さんは「やりたいことに存分にお金を使えば、人生の最晩年に寝たきりになったとしても、そのときどきの楽しさを繰り返し味わえる極上の思い出ができるはずだ」という――。

※本稿は、和田秀樹『どうせあの世にゃ持ってけないんだから 後悔せずに死にたいならお金を使い切れ!』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

海の前でリラックスした年配の女性
写真=iStock.com/lucigerma
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最晩年の財産はお金ではなく、楽しかった思い出

死を前にして「もっとお金を使えばよかった」「一生懸命に貯金をして損をした」と悔やむ人が少なくないと言いましたが、反対にやりたいことをやっておけば、体が弱ってベッドで過ごすようになったときでも、その思い出が心の支えになります。

私が出会った患者さんのなかでも幸せに旅立たれる方はおしなべて、「あのときは楽しかったな」「あれは最高におもしろかった」と亡くなられるまで、心に残る思い出を生き生きと満足げに語られていました。

結局のところ、最晩年の最大の財産は、お金ではなく、楽しかった思い出なのです。年を重ねるほどに、お金があっても、世界一周の旅に出るとかキャンピングカーで日本各地をめぐるとかグルメを食べ歩くというような体力も気力もなくなっていきます。

体も頭もしっかり動く時間は限られているのです。だからこそ元気なうちに、お金を思い出に換えておきましょう。

私の好きな映画に、『最高の人生の見つけ方』という名作があります。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが演じる二人の高齢者が余命宣告を受け、「死ぬまでにやりたいリスト」をつくって、それを一つひとつ実行に移していくいう物語です。