生涯稼ぎ続けるモチベーションの源泉はどこから来るのか。医師の和田秀樹さんは「初めて47歳で撮って、9000万円ぐらい損したが、映画監督には何とも言えないモノ作りの魅力がある。資金さえあれば100歳でもやれるだろうから、できるだけ稼いで撮って、また稼いでは撮りたいと思っている」という――。

※本稿は、和田秀樹『どうせあの世にゃ持ってけないんだから 後悔せずに死にたいならお金を使い切れ!』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

映画制作クルーカメラマン
写真=iStock.com/ponsulak
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自分の力で稼ぎ続けることが老化を防ぐ

世の中とは不思議なもので、9000万円になったマンションの次に買ったマンションはまた1000万円くらい高く売れたのですが、その次のマンションは8000万円で買って、2000万円でしか売れませんでした。だから最終的に、私の不動産売買による金額はチャラです。

何が言いたいかというと、不動産でも投資でも、自分の力だけでは及ばない天の計らいで巡ってくるお金は、結局、いつかはプラスマイナスゼロになるものなんだという金銭感覚になったわけです。いまマイナスであってもいつかまたプラスになるだろうし、仮に金ができたつもりで喜んでいても、いつまたそれが消えるかわからない。

ここで、「オレって金が入ってくる人間なんだ」という思い込みから抜け出し、

「大事なのは世の浮き沈みに左右されることなく、自分の力でいくら稼げるかだ」

という価値観に変わりました。

私にとって一番大事なのは、金を貯めるとか貯めないとか、いまいくら持っているかよりも、「いま、いくら稼げるか」ということ。つまり、「いまの自分は、いくら稼げて、いくら使えるか」ということが重要なんです。だから、これからも、年齢など関係なく収入は増やしたいと思っています。

どんなに株価が上がっている時期でも、原則的に株はやりません。実は若い頃、株をやって失敗した経験があって、それ以来、自分の力でいくら稼げるかが大事だと思っています。

しかも、稼ぎ続けることが老化予防につながっていると確信しています。

「金を稼がなきゃいけない」といつも意欲的に生きていたら、年を取りにくいでしょう。

常にゼロに近い状態にしないと、人間なんて働くわけがないんだから。

いや、金があっても、もっと稼ぎたいという人はいるでしょうけれど、私は根がグータラだから金があったら働く意欲がなくなって、老け込んでしまうと思います。