話を盛り上げる「刺さる言葉」
では自分の話の内容をひとことでまとめるために、具体的にどうしたらいいのだろうか。一言でいえば「要素を減らして、言葉のキレをよくし、端的に伝えること」である。先ほどもあげたように新聞や雑誌の見出しにするような表現を考えるとわかりやすい。コツは大切な言葉だけで、内容をまとめて伝えていくこと。「いいことは言っているのに、いまひとつ気持ちに刺さらない」と感じるなら、その“いいこと”の部分をより尖らせてシャープにすることで、ズキッとくるように仕立てられるはずだ。
たとえば、先ほどのB氏は一般論を離れ、できるだけ自分の具体的なエピソードを盛り込んでことで、より聞き手の興味を引く話になると思われる。最後のひとことだけでもキレよく加えてみるとするならば、「家族が活力。仕事のインスピレーションの源泉です」や「プライベートの時間から、キャリアは生まれる」……など、たとえありきたりでも自分が言いたいことを、シャキッと尖らせる方法は、あれこれ考えられるだろう。
話をする目的はさまざまながら、最終的には「相手に刺激を与えることで、あなたの主張に耳を傾けて、行動を起こしてもらうこと」が効果的なのは間違いない。具体的なエピソードは、人の感情に訴えかけて刺激を与えるためにより有効である。
一般論で語らない。すべてを伝えようとしないこと。できる限り「具体的なエピソード」で、「フレーズの要素を減らしてスパッと伝える」。これで、言葉はよりシャープに脳裏に突き刺さるものだ。