「粉飾決算」は「脱税」と並んで企業の不正経理のひとつです。いわゆる「不正」というものは、様々なスキームが生まれて複雑化し露見しにくいよう進化していますが、それを実際に自分ができるかといえば難しいでしょう。なにより、粉飾に関心を持つことは経営者として不健全であり、また無謀でもあり、刑事告訴もあり得る犯罪行為です。粉飾への注意喚起として、財務分析に基づく「粉飾が見抜かれる理由」を見ていきます。

財務のプロが見れば、下手な「粉飾」はすぐわかる

「節税」というのは、税法において合法かつ健全なかたちで納税額を少なくする取り組みのことであり、経費を増やして利益を少なくすることです。ただし、それが故意に違法なかたちで行われると「脱税」となります。

その対極にある違法行為が、「粉飾決算」です。脱税とは逆に、嘘をついて経費を減らして利益が多いように見せたり、あるいは利益が多くなるよう売上を膨らませたりすることです。

(構成=岩川悟、吉田大悟 図版作成=木村友彦)