最初から法人として起業した人も、個人事業主から法人成りした人も、自分で経理まで行ったほうが節約になることは間違いありません。ただ、経理・税務のプロの力を借りることは、想像以上のメリットをもたらします。そこで、会社として顧問税理士が必要である理由や、実際に契約していながらも意外と活用しきれていない顧問税理士のサービスをフル活用する方法を見ていきます。

売上を伸ばすために顧問税理士が必要である理由

もともと個人事業主で、確定申告なども自身で手続きしていた経験がある人の場合、ある程度の会計知識があるため、「法人成りしても自力でなんとなる」と考えてしまいがちです。ところが、すでに法人化の手続きの段階から、わからないことが頻出するのが実情です。「専門家の手を借りるべきだった」と痛感する人も多いようです。

わたしたち税理士の仕事は、ひとことで言うと「納税者の申告をサポートすること」です。法人と一定期間の顧問契約をしている税理士を顧問税理士といい、契約の内容により請け負う業務こそ異なりますが、一般的に顧問税理士が行うメインの業務は、顧客である法人の年度ごとの申告書の作成です。

(構成=岩川悟、吉田大悟 図版作成=木村友彦)