顧客から重要な情報を聞き出すにはどうすればいいか。営業コンサルタントの菊原智明さんは「抽象的な質問では抽象的な答えしか返ってこない。稼げる営業は『予算は?』と質問するのではなく、お客様が答えやすい質問をしてチャンスを何倍にも広げる」という――。

※本稿は、菊原智明『決定版 「稼げる営業」と「ダメ営業」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

若いアジア人ビジネスマン
写真=iStock.com/MTStock Studio
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相手から引き出せる情報が何倍も変わる質問

稼げる営業は質問でチャンスを広げ、
ダメ営業は詰まらせる。

営業活動においてヒアリングは極めて重要です。初対面や接客時にお客様に質問をして「どれだけ聞き取れるか」が重要になってきます。

ただし質問にも「良い質問」と「悪い質問」があるのです。

ある起業したての人にお会いした時のことです。

その男性はお会いして突然こう質問してきました。

男性「菊原さんのミッションと今後の展望をお聞かせください」

私「ミッ、ミッションですか? それは……」

何かカッコいいことでも言おうと思ったのですが、とっさに出てきません。

しばらく考えてから「人に役立つことをしたいです」と答えるのが精一杯でした。男性はお礼を言い、去って行きました。「人の役に立つことをしたい」だなんて具体性がなく彼の役に立ちません。

もしこの時「菊原さんは朝起きてからどんなことをしますか?」と、もう少し具体的な質問だったらどうでしょうか。このように具体的に聞かれれば、何倍も役立つことを言えます。

私は長年朝活をしており、朝のうちに9割以上の仕事をこなしています。朝の効率的な過ごし方や習慣についてお話しできたでしょう。

質問によって、相手から引き出せる情報が何倍も変わってくるのです。