前出の山辺氏も同じく、言語ができても社内政治に首を突っ込むのはご法度だと語る。「中国人の人間関係はいくら中国通でも理解できない。外国人同士で起こった問題は彼らに任せるべき」と語る。

最後に、欧米系企業で長年秘書として働いてきた小沢香織氏(44歳/仮名)に欧米人上司について聞いてみた。小沢氏はアメリカ、イギリス、オーストラリア、スイス人など多国籍の上司に長年仕えてきたキャリアウーマンだ。

そんな小沢氏が見た欧米人上司は、「アングロサクソンが世界一高等な民族だと思っていることは確かで、日本人を見る目は想像以上に冷たい」。自分の意見がなく、顔が見えにくい日本人の影は世界では驚くほど薄いのではと小沢氏は分析する。

だが、家族連れで来日している場合は奥さんや子どもの習い事の世話をしてあげたり、ファミリーサービスを手伝ってあげることで部下の株は上がるという。

「日本語を武器に日本人ならではのきめ細かい世話をしてあげると喜ばれることが多いですね」と小沢氏。上司夫人と、休日返上で国内旅行をしてあげたらとても感謝され、その後の関係がよくなったという。

要は、どんな国籍の上司が来たとしても、ある程度相手の国について学びながらも、あくまでも日本人としての強みを生かし、巻き起こるトラブルにフレキシブルに対応する。そんな中で自分の居場所を確保していくことが得策のようだ。いま、自分の身を守れるのは、結局、自分しかいないということなのだろう。

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